見出し画像

後年に恥ずかしくない仕事をしよう「何年経っても自分の仕事として残る」

新築から改修まで長くマンションの工事に関する仕事にに携わってきました。アフターメンテナンスや建物劣化診断でいろいろなマンションの劣化状況を見てみると過去の工事がどんなだったか想像ができます。経年劣化ではなく、過去の工事が原因でこうなってしまったんだろうということです。

もう20年以上前になりますが、あるマンションの建物の瑕疵が問題となり、そのマンションを施工したゼネコンとの折衝に奮闘したことがあります。その時のゼネコンの現場担当者は新築時の現場代理人ではありませんでしたが、管理組合も交えた厳しい折衝に対して真摯に対応してもらい瑕疵問題を解決することができました。

こちらからの要求に対して、しっかりと対応してくれたことについて、「自分の現場ではなかったのにほんとによくやってくれました。」と感謝の気持ちを伝えたところ、その人曰く「何年経っても自分の仕事として残りますから」とのことでした。

「何年経っても自分の仕事として残る」
人はともすれば「今だけよければ」「自分だけよければ」というような考えになりがちではありますが、「後々のことも考える」「自分以外の人のことも考える」。その人の言葉であります「何年経っても自分の仕事として残る」を自分の肝に銘じています。
大規模修繕工事などのコンサルタントとして、現場に関わるときには、現場の人たちに必ずこう言います。「次回の大規模修繕工事は10数年後。10数年後の人たちに前回の大規模修繕工事が悪かったからこうなったなんて言われないような仕事をしよう。何年たっても自分たちの仕事として残るのだから。」

新築時の施工上の問題により、マンションの建て直しを余儀なくされたというニュースを目にしました。大規模修繕工事でも施工上の配慮不足や施工不良により、後々大きな問題となることがあります。そのような場合、施工者も購入者も多大なる負担を負うことになります。そのようなことも何年経っても自分の仕事として残ります。

あと何年、自分はこの仕事を続けていくのかは分かりませんが、そんなに長くないことは間違いありません。仕事を続ける以上、最後まで「何年経っても自分の仕事として残る」この気持ちを忘れずに、また若い人たちにも伝えていきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!