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マンション管理会社からの提案を比較検討してみる

これまで多くの管理組合の皆さまから管理会社の変更に関するご相談をいただいており、管理会社の比較検討を行ってきました。管理会社の比較検討の際には、管理委託料が高いのか安いのかといった見積金額の比較検討だけではなく、その管理会社の管理業務全般についても比較検討を行う必要があり、それぞれの管理会社に対して業務内容や提案事項に関する回答を求めています。それについて各管理会社から、どのような回答と提案がされたのか、通常の管理業務と費用の削減に関することの中からポイントとなるものについて比較検討してみます。

先ずは、管理会社は通常の管理業務を担当者任せとなることが多く、担当者のスキルや対応によっては、管理組合の運営が停滞することもあります。そうならない為にどのような工夫をしているのかとの質問に対しは
・フロント担当者任せにならないよう、毎週課での報告会を行い、各担当者の物件情報の共有を実施している。
・上長による定期的な報告、連絡、相談の場を作って抱え込まないようにしている。
・上席、他担当者を交えた月2回のグループ会議にて情報を共有している。
・管理物件に対してチー厶制を取っておリ、フロント休暇や不在時においても対応可能な体制を構築している。
・フロントシステム稼働により担当者任せになリにくい環境にしている。
・社員の行動スケジュールをサイボウズというシステムで共有している。
・フロント支援システムによる業務管理情報を共有している。
まとめると定期的に会議などで情報共有を行っているのか、社内のシステムよって情報を行っているのか、もしくはその両方を行っているのかということになります。そのような体制を取っているといっても実際の管理業務では、管理組合の課題が埋没することがあります。こちらがコンサルタントをさせていただいている管理組合には課題の管理表の作成とそれをもとにした理事会運営をご提案しています。それによって管理組合の運営を管理会社の担当者任せになることなく課題の進捗状況が明確になります。

次に管理組合の費用削減の提案についての質問に対しては
・共用照明のLED化。
・電子ブレーカー設置。
・給水方式直結増圧化。
・給水設備点検、定期清掃実施回数見直し。
・小修繕工事での複数社からの相見積りの取得。
・サブリース業者への貸出等、駐車場空き区画の活用。
・使える助成金等があれば積極的に情報提供をする。
・保険料の改定の情報があれば改定前に契約した場合と満期を待った場合でどちらが金額が安く済むのかを検討していく。
・管理員土曜勤務廃止。
このような費用削減の提案を見てみると管理会社は設備点検や清掃業務などについても管理委託業務の中に含めており、それらの実施回数などの見直しの提案は自らの収益を減らすことになり、積極的ではないことは理解できますが、修繕工事の相見積もりを取り比較検討ということについては、管理会社によって回答に違いがあります。その管理会社が修繕工事について元請けになることが前提の場合、当然、他の施工会社からの相見積もりを管理組合に提案することはなく、比較検討の為の相見積もりは管理組合が施工会社を探して見積を取らなければならないことになります。費用の削減についても管理会社任せにすることなく、管理組合が自主的に検討して重要です。こちらがコンサルタントをさせていただいている管理組合には、どこから見積りを取り、どのように比較検討するのがいいのかをということをご提案しています。それによって工事金額の他、工事内容の違いも明確になります。

管理会社を選定する際に回答を求めたことの一部をご紹介いたしましたが、それぞれの回答を見てもこの管理会社に任せれば大丈夫だろうというところまでに至っていないのが現状です。管理会社の見積りに参加する管理会社は、積極的に改善の提案をする立場ですが、既存の契約を継続している管理会社については、管理組合運営に関する積極的な提案はなされていないのではないでしょうか。管理会社を変更するということではなくても管理会社の業務内容を定期的に確認し、見直しを行うことは必要なことだと思います。


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