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どのようにすれば大規模修繕工事は成功されることができるのか その②劣化診断はこうあるべき

① 大規模修繕工事での劣化診断とは?

先ずは劣化診断とは、建物の劣化状況にもとづき、修繕の実施時期を見極めるためのもので、大規模修繕工事ありきということではないと思います。
劣化診断の結果により、いつ頃大規模修繕工事を実施する計画にしましょう。もしくは、大規模修繕工事はもう少し先でもいいのではないか、但し、この部分は先に補修しておいた方がよいのでないかということもあったりします。

② 劣化診断ではどのようなことをするのか

そのうえで劣化診断は、何をするのかお話をしていきます。大規模修繕工事は、建築系の工事となりますので、屋上などの防水層に雨水が浸入しているような箇所はないか、外壁のタイルや塗装面に浮きやひび割れがないか、目視と打診にて確認していきます。打診棒で叩いて高い音がするとその部分のタイルが浮いているということが分かります。

③ 劣化診断では何が分かるようにするべきか

劣化診断では、防水が劣化している、タイルが浮いているという現象だけを見るだけでは、あまり意味はありません。防水の劣化がどの程度のもので、すぐに対処しなければ漏水してしまうのか、少し様子を見てもいいのか。対処するのであればどのように補修すべきか。
タイルの浮きもタイルだけが浮いているのか、広い面で浮いているのか。全体の何パーセント程度のタイルが浮いているのか。すぐに対処すべきようなところはないのか。そういったことが分かるようにするのが劣化診断であるべきだと思います。

④   アンケートで確認します

劣化診断ではアンケート調査を行います。アンケートの内容は、主にバルコニーに関するもので、例えばバルコニー内にひび割れがありませんかとか、漏水は発生していませんか、などとなりますが、その他にも共用部分でお気づきのことがあれば記載くださいなどというようの項目も含めます。アンケートでは、なるほどなと思う貴重なご意見をいただくこともあり、たいへん参考になります。またアンケートにてバルコニー調査にご協力をお願いします。だいたい戸数の10パーセント程のバルコニーの調査を行います。その場合はアンケートで、「ひび割れがある」「漏水がある」というようなご回答いただいた住戸を優先して調査させていただいております。

⑤   報告会を開催しましょう

劣化診断の結果については、管理組合の皆さまに劣化状況を知っていただくために報告会の開催をご提案しています。皆さんのマンションの状況を知っていただくことは大事なことです。そのうえで次のステップとなる大規模修繕工事に設計業務を進めていくことにより、管理組合の皆さんの関心が高まり、理解が深まります。

大規模修繕工事を計画するにあたり、劣化診断にて建物の劣化状況を知ることがたいへん重要です。劣化状況によっていつ大規模修繕をするのか。先に延ばすのであれば、その間にやるべきことはないか、そのようなことが明確になる劣化診断であるべきです。劣化状況を見極めたうえで、次のステップに進めていくことが必要です。


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