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管理会社から値上げの申し出があった場合どうするのか②契約を見直す

さて、昨年、今年と管理会社から値上げの申し出が続いています。管理会社から値上げの申し出があると、理事会としてはどうしたらいいのか、その対応に苦慮することになります。ではそのような場合、どうすればいいのか
①検討期間を作る
②契約内容を見直す
③他の管理会社と比較する
この3回に分けて、ご説明させていただきます。

今回は、その第2回として契約内容を見直すについて、お話をさせていただきます。管理委託契約の内訳としては、一般的に事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物設備管理業務などとなります。あるマンションの管理委託費を見てみると月額約50万円の管理委託費のうち、16パーセントが事務管理業務費、44パーセントが管理員業務費、21パーセントが清掃業務費、19パーセントが建物設備管理業務費でした。それぞれのマンションの管理業務の形態によって、この割合は当然異なりますが、管理員業務費と清掃業務費の割合が大きいことは共通すると思います。

最低賃金の上昇や人出不足はマンション管理の業界にとっても大きな影響があり、それが管理員業務費や清掃業務費の値上げに繋がります。これまで最低賃金もしくはそれに近い金額で管理員さんなどを雇用していた管理会社が、それでは雇用がままならず、給料を上げないと人が集まらない状況になっているようです。また管理会社の下請けで仕事をする清掃会社なども同様で給料を上げないと人員の確保ができず、業務を継続できないといった事態にもなっています。
そのような状況により、多くの管理会社は特に管理員業務費や清掃業務費の値上げを管理組合に申し出ています。それらの業務は、先程の例の管理委託契約のとおり、管理委託契約費のなかで大きな割合を占めますので、それらの値上げが管理費会計に大きな影響を与えることになります。その為、管理員業務や清掃業務の日数や時間がそこまで必要なのか、見直す必要もでてきます。

また、建物設備点検も同様で、その中で法定点検として、点検内容や回数などが決まっているのは、消防に関する点検、水道に関する点検、建築設備に関する点検、エレベータ―の保守点検などになります。それ以外の点検については法定点検ではないものもあります。

機械駐車場については、長く使用者がなく、空いている区画については保守点検から除外し、平置き扱いとした管理組合もあります。また、それらの点検業務で管理会社が元請けになっている場合は、当然管理会社の経費という利益が加算されていますので、一部を管理委託契約から外し、管理組合との直接契約に変更した管理組合もあります。管理会社の値上げをそのまま受け入れるのでなく、この機会に管理委託契約の内容を見直してみるのも必要なことだと思います。

管理委託契約の内容について、総会の際に行われる重要事項説明会で管理会社から説明されますが、充分に理解されていないのが現状です。そうだとすると充分に理解していないことにお金を払っているということになります。管理会社の値上げという時だけではなく、管理委託契約の内容について、よく理解しておくということは管理組合にとって大事なことです。


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