どのようにすれば大規模修繕工事を成功させることができるのか。 その①大規模修繕工事のコンサルタントの選び方
1. 大規模修繕工事に有用な設計監理方式とは?
元々、大規模修繕工事は、管理組合が直接、施工会社に見積の作成から工事完了までを任せる責任施工方式から始まっていますが、そうすると管理組合の場合、総会で「なぜ、その施工会社にしたのか。他からも見積りを取ったのか」、そのような質問が出たりします。管理組合だけで複数社から見積を取り、比較検討をするのは難しい。そのような経緯から始まったのが第三者のコンサルタントに大規模修繕工事に関する業務を委託する設計監理方式です。
2.設計監理方式の進め方
では、設計監理方式とはどのように進めていくべきものなのでしょうか。
設計監理方式を進めていくために業務を委託するコンサルタントはどのように選ぶべきか。先ずはそこから始めていきます。
コンサルタントに求められるのは、大規模修繕工事に関する実績と実務経験です。大規模修繕工事の実務経験に基づくノウハウがないと適確なアドバイスができません。そういったコンサルタントを選ぶには、やはり複数のコンサルタントを比較検討するべきです。複数社を比較検討するためには、何をコンサルタントに委託するのかを決めて、共通の見積内訳書が必要です。単純に見積りだけを依頼すると各社ばらばらな内容の見積りが出てきます。それでは比較検討するのは難しくなります。
3.重要!各社からのヒアリング
各社から共通の見積りを取ったうえで、最終的には各社にヒアリングをする必要があります。会社案内や見積では分からないことをヒアリングで確認して、業務を委託する1社を決めることになります。
ヒアリングはできたら各社1時間、そのうち各社のプレゼンテーション30分、質疑応答30分とすると各社の提案力や管理組合の要望に対する対応などを確認することができます。質疑応答については、各社共通の質問事項をあらかじめ作成しておくとスムーズな質疑応答と比較検討ができます。ヒアリングには実際の担当予定者の出席を求めて、その人と質疑応答することにより、その人の経験や提案、人柄なども確認することができます。これはたいへん重要です。その会社の規模が大きい小さい、見積が高い安いだけではなく、「この人のやってもらいたい」といった観点も選定の大きなポイントになります。
4.コンサルタントを選ぶポイント
大規模修繕工事のコンサルタントを選ぶポイントとしては、その会社の実績や規模、見積金額だけではなく、担当者の実績や対応力で選ぶ。
これは大規模修繕工事を成功させるために重要なポイントで、それによって選ばれたコンサルタントと管理組合が信頼関係をもとに業務を進めることが大規模修繕工事を成功されるための第1歩となります。