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施工会社から相見積もりを取る際の注意点

工事を依頼する際、相見積もり(複数の施工会社から見積もりを取ること)は、適正価格を把握し、コストを抑えつつ高品質な工事を実現するために有効な手段です。しかし、施工会社への伝え方を間違えると、相手のやる気を削いでしまい、結果的に良い条件を引き出せなくなる可能性があります。今回は、施工会社との信頼関係を保ちつつ、賢く相見積もりを進めるための注意点を解説します。

1. 相見積もりの目的を明確にする

相見積もりを取る目的は、単に「最も安い施工会社を選ぶこと」ではなく、「適正価格で信頼できる会社を見つけること」です。そのため、以下の点を重視しましょう。

価格だけでなく、施工品質やアフターサービスの充実度も考慮する。
工事内容や仕様が同じ条件で見積もられているかを確認する。
施工会社ごとの強みや特徴を比較し、最適な選択をする。

価格だけを重視すると、施工品質が落ちたり、将来的な追加費用が発生したりするリスクがあります。見積もりを依頼する際は、「価格だけでなく、品質や対応も考慮して判断する」ことを伝え、施工会社に安心感を与えましょう。

2. 施工会社に相見積もりを取ることを伝えるべきか?

相見積もりを取ることを施工会社に伝えるべきかどうかは、状況によります。

(1)伝えたほうが良い場合

業界の常識として相見積もりが当たり前のケース(大規模修繕工事など高額な工事)
施工会社との信頼関係を築いており、率直な意見を聞きたい場合
価格競争を意識させることで、より良い条件を引き出したい場合
この場合、「相見積もりを取っていますが、価格だけでなく対応や品質も考慮して選びます」と伝えると、施工会社も前向きに対応しやすくなります。

(2)伝えないほうが良い場合

比較的小規模な工事で、施工会社にやる気を持ってもらいたい場合
親しい施工会社に依頼しつつ、念のため他社の価格も確認したい場合
相見積もりを伝えることで、施工会社の対応が消極的になりそうな場合
特に、相見積もりを伝えたことで「価格競争に巻き込まれている」と感じられると、手を抜かれる可能性もあります。そのため、伝える場合は言葉選びに注意しましょう。

3. 見積もりを依頼する際のポイント


相見積もりを取る際は、以下のポイントを押さえておくと、施工会社との信頼関係を損なわずに進められます。

(1)条件を統一する

見積もりの条件がバラバラだと、公平な比較ができません。以下の項目を統一しましょう。
工事内容(仕様、材料、工法など)
施工期間
保証やアフターサービスの有無
支払い条件

条件が統一されていないと、価格の差が適正かどうか判断できず、施工会社からも不信感を持たれる可能性があります。

(2)施工会社ごとの特徴を理解する

すべての施工会社が同じ基準で競争できるわけではありません。たとえば、大手施工会社は価格が高めでも保証が充実している。
地元の中小企業は価格が安く、柔軟な対応が可能。
このような特徴を理解し、価格だけでなく、自分にとって最適な選択肢を考えましょう。

(3)フェアな対応を心がける

施工会社もビジネスですので、誠実に対応することが重要です。以下の点に注意しましょう。

見積もりを依頼した会社には必ず結果を報告する。
見積もりの理由を明確に伝え、無駄な競争をさせない。
無理な値引き交渉は避け、公正な取引を意識する。
「とりあえず相見積もりを取るだけ」といった態度を見せると、施工会社からの信頼を失い、今後の取引に悪影響を与える可能性があります。

4. 施工会社への伝え方の工夫

相見積もりを取る際の伝え方ひとつで、施工会社の対応が変わることがあります。以下のように工夫すると、施工会社のやる気を削がずに進められます。

NGな伝え方:

「他社にも見積もりを取るので、できるだけ安くしてください。」
「最安の会社に決めます。」
このような伝え方では、施工会社のモチベーションが下がり、結果的に手を抜かれる可能性があります。

OKな伝え方:

「複数社に見積もりをお願いしていますが、価格だけでなく、対応や品質も重視して選びます。」
「適正価格を把握するために、相見積もりを取らせていただいています。最適な施工会社を選びたいので、御社の強みもぜひ教えてください。」
このように伝えることで、施工会社も前向きに対応しやすくなります。

まとめ

施工会社から相見積もりを取る際は、以下のポイントを押さえることで、スムーズに進められます。

相見積もりの目的を明確にし、価格だけでなく品質や対応も考慮する。
施工会社に相見積もりを伝えるかどうかは状況に応じて判断する。
見積もり条件を統一し、公正な比較ができるようにする。
施工会社への伝え方を工夫し、やる気を削がないよう配慮する。

相見積もりは、賢く進めればコストを抑えつつ、信頼できる施工会社を見つけるための有効な手段です。施工会社との信頼関係を大切にしながら、より良い工事を実現しましょう。

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