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【PC1台あればOK】完全無料でVJデビューしよう!【SynapseRack】

はじめに


この記事は #VJアドベントカレンダー2024 24日目の記事です。
また、Windows PC向け&ソフトウェア開発者自身によるポジショントークが含まれる記事になります。

VJを始めるために必要なもの

  • PC(必須、今回はWindows)

  • VJソフト(必須)

  • 映像素材(必須)

  • MIDIコントローラー(任意)

PC(Windows)

クラブでやる場合はゲーミングノートPCが必要です。Twitch配信やVRChatでやる場合はデスクトップPCでも問題ありません。

参考程度に筆者は、
CPU:11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11800H
メモリ:16GB
SSD:512GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU
のDellのゲーミングノートPCを使ってます。(2,3年くらい?)

VJソフト

Windows向けのVJソフトは色々ありますが、無料(体験版含む)でVJデビューが出来る程度のものは私の知る限り今までありませんでした。(Macの場合はVDMXがあります。)

今回はSynapseRackというVJソフトを使用します。
無料版は4レイヤー(同時に4つまで映像を合成できる)でウォーターマークは無く完全無料でVJデビューが出来ます。
ちなみに有料版は12,000円で、全ての機能が使用出来ます。
詳細は後ほど解説します。

映像素材

無料のもの、有料のもの色々あります。
筆者はよくResolumeのFootageストアBOOTHで販売されている映像素材をよく使います。

例えば、BOOTHでVJ素材で検索すると沢山でてきます。

無料でもVJは始められますが、2000円~5000円くらいの予算でBOOTHで揃えると、より表現が広くなります。

MIDIコントローラー

VJソフトSynapseRackでは、キーボードのみでVJが出来ますが
MIDIコントローラーと言われる物理コントローラーを使うとより直感的な操作が出来ます。
これも色々ありますが、個人的には以下のMIDIコントローラーがおすすめです。

筆者は、LaunchControl XL MKIIとKONTROL F1を併用しています。
こんな感じ。

SynapseRack

出来ること

PVが一番わかりやすいと思います。
※音が出ます

PVのようなVJが出来るソフトになっています。
無料版の場合4レイヤー制限により、同時に扱える映像が4つまでなのでPVの完全再現は少し大変かもしれないです。

機能

レイヤー
1レイヤーに映像や画像、fragment shader(.hlsl)、Spoutを再生することが出来ます。
映像は.movのHAPコーデック(VJ向けの映像形式)、H.264(mp4,mov,webm)に対応しています。
画像は.pngとjpgに対応しています。
fragment shader(.hlsl)の読み込みはプログラマやシェーダーアーティスト向けの機能にはなりますが、所謂ジェネ系VJが出来る機能になります。

ノードベース
ノードベースにより、様々なエフェクトをかけたり、オートメーションを作ることが出来ます。

ノードベースでエフェクトをカスタマイズ出来るようになっており、組んだノードにMIDIコントローラーをアサインすることでVJ中にオンオフ出来るようになります。

ノードにはエフェクト以外にも、操作を自動化する仕組みが用意されており、VJの一部を自動化することも可能です。

他にもレイヤーをコピーするノードや、
レイヤーのサイズ、位置調整をする機能もあります。

足し算や引き算のノードを組み合わせることで、2チャンネルミキサーを作ったりも出来ます。

このように様々なノードを組み合わせることで、オリジナルの表現を作ることが出来ます。

その他
キーボード入力、OSC入出力、Spout入出力、プロジェクトの共有、等々様々な機能に対応していますが、今回は割愛します。
詳細が気になる方はSynapseRackの公式サイトをご確認ください。

VJをやってみよう!(セットアップ)

では、さっそくSynapseRackでVJをやってみましょう!

VJソフトをダウンロード

こちらにアクセスして、BOOTHのアカウントを作成します。
そして無料版(Demo)をダウンロードしてインストールしてください。

起動する

SynapseRackを起動しましょう。

こういう画面が出ます。

VJ素材をダウンロードする

今回はサンプルVJ素材を使用します。以下からダウンロードしてください。

https://drive.google.com/file/d/1zhkN4pcKh_rmgS9vjm4IplZRzIbP_F1s/view?usp=sharing

ダウンロードしてzipファイルを解凍してください。
※もちろん、自身で用意した映像ファイルでも問題ありません。適切にコーデックされた映像であれば読み込まれます。

VJ素材をフォルダに入れる


SynapseRackの左上のSourceからOpen Source Directoryをクリック

このようなフォルダが開かれます。
今回はVideoファイルになりますので、Videoをダブルクリックして開きます。

ここにダウンロードして解凍したSainaPracticeLoopsを入れます。

このようになります。

VJ素材を読み込む

次に左上のSourceからLoad Source Filesをクリック

映像の読み込み処理が始まります。映像の数によっては時間がかかります。

VJ素材をContentsBrowserで読み込む

ContentsBrowserのリロードボタンをクリック


ContentsBrowserの左側に「SainaPracticeLoops」が表示されます。
それをクリックすると、読み込まれた動画のサムネイルが表示されます。

サムネイルを右クリックすることで、サムネイルを更新することが出来ます。
サムネイルが黒い場合は何度か右クリックしてみてください。

VJ素材を再生する


ContentsBrowserは基本的に、「選択しているLayerにVJ素材を渡す」ようになっています。
上の画像のように

  1. Layer_0をクリックして選択

  2. 動画のサムネイルをクリック

をすると、Layer0で映像が再生されます。

複数の映像を再生して切り替える

上で説明した手順を繰り返して、Layer_0からLayer_3まで映像を再生します。

テンプレートプロジェクトには「StepSequencer」モジュールが実装されています。
これはBPMに合わせて自動で映像を切り替えてくれるモジュールです。
このStepSequencerの左下の再生ボタンを押すと、4つのLayerが自動で切り替わります。


StepSequencerの左下の再生ボタンを押すと、4つのLayerが自動で切り替わります。

Global TempoのTapをテンポに合わせてクリックすることで、BPMを切り替えることが出来ます。

エフェクトをかける

テンプレートプロジェクトにはノードエディタでエフェクトが実装されています。

拡大すると、

  • PatternEffect

  • Mirror

  • RGBShift

が実装されていることがわかります。
それぞれのエフェクトモジュールに繋がっている、Toggleモジュールをクリックしてエフェクトのオンオフを切り替えてみましょう。
下記の動画のようにエフェクトがかかります。

MIDIマッピング、キーボードマッピング

左上のSettingからMidi Mappingをクリック

MIDIマッピングが可能なUIが青くなり、UIInspectorというウィンドウが表示されます。
UIInspectorは選択しているUIに現在マッピングされているMIDIチャンネルとMIDIナンバーが表示されます。

UIをクリックすると赤くなります。
その状態でマッピングしたいMIDIコントローラーを動かす、もしくはキーボードを入力すると、そのUIとMIDIコントローラー(キーボード)が連動されます。

NodeEditorの一部のモジュールもMIDIマッピング可能です。

プロジェクトを保存する

左上のProjectからSave Projectをクリックすると任意のフォルダに保存出来ます。

左上のProjectからSave Without Nodeをクリックすると任意のフォルダに保存出来ます。
こちらから保存した場合"NodeEditor"の内容が保存されません。
ノードは別でインポートしたい場合におすすめです。

NodeEditorの左上のProjectからExportProjectをクリックすると任意のフォルダにノードプロジェクトを保存出来ます。
こちらから保存した場合ノードエディタ以外の内容(レイヤーなど)が保存されません。
ノードだけを他ユーザーと共有したい場合におすすめです。

VJをやってみよう!(練習)

これで基本的なSynapseRackの使い方はOKです!
詳細は公式サイトを確認、もしくは公式Discordサーバーにて開発者であるSainaに連絡をしてください!

今回はPC1台でやってみるのがテーマなので、キーボードだけでやってみます。

画面全体にSynapseRack、左下にキーボードが表示されています。
0:00~0:36までがキーボードマッピングをしている様子です。

0:36~から3:03までがキーボードとマウスのみでVJをしている様子です。

音楽に合わせてキーボードをたたいてるのがわかると思います。
あんまり点滅しすぎはよくないので、この辺りは練習や現場経験を経て調整する必要がありますが、基本は音楽に合わせて映像を切り替えて、たまにエフェクトをかけるだけです。簡単で楽しい!実質なんでもやっていい音ゲーです。

練習方法

完全に一人でやる場合は、YouTubeSoundCloudMixcloudにDJ MIXがあるのでそれを聞きながらOBSで録画して見返すのが良いと思います。

誰かとVRChatやDiscord等でDJをやってくれる人を探して一緒にやるのも良いです。VRChatだと気軽に練習イベントが出来て楽しくおすすめです。

現場でVJしよう!

いざ、ブッキングを貰った場合の準備をしましょう。
今回は最小構成の話をします。本格的にVJを初めて行く場合は機材が増えていく場合もあります。

持ち物(必須)

  • ノートPC

  • ノートPCの充電器

  • マウス

  • HDMI2本(長いのと短いの、あればあるだけ良いです)(会場がHDMIに対応している前提の話です)

持ち物(任意)

  • MIDIコントローラー

  • PCスタンド

  • 電源タップ

  • 養生テープ(設営にあると便利です)

  • ROLAND ( ローランド ) / V-1HD等のビデオスイッチャー(VJの誰かが持ってると入れ替えが便利になります。)

当日の流れ

  • 入りの時間に会場へ向かいましょう。

  • 映像が出力できることを確認します。

  • あとは本番を楽しむだけです!

まとめ

長くなりましたが、まとめると
VJソフトSynapseRackがあれば、PC1台でVJデビューが可能です!
無料版でももちろん、有料版に拡張することでより幅広い表現も可能です。

また今回はクラブミュージック系のVJを前提に話してましたが、アニソン系、ボカロ系のMVを流すVJ(所謂リップシンク)だとまた少し話が変わります。
余談ですが、そういったVJのためのツールも開発、公開しています。
SynapseRackと組み合わせることで、幅広いVJに対応出来ます。

自己紹介

Sainaと言います。本記事で紹介したVJソフトSynapseRackの開発者です。
普段はプリレンダVJ、ジェネVJ、ソフトウェア開発、シェーダーお絵描きなどをやります。
また、VRChatと現実で開催するジェネ系オーディオビジュアルイベント draw(); のオーガナイザーもやってます。

VJブッキングなどお待ちしております!TwitterのDMやポートフォリオにあるメールからご連絡ください!

Twitter
https://twitter.com/SainaKey
ポートフォリオ
https://www.sainakey.com/

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