偶然力を養う
先日、県外出張時に経営者仲間からこんな話を聞きました。
「今、受注している大口の契約は、平日にゴルフに行った時にたまたま隣のテーブルで昼食を食べていた方からいただいたんだよね。偶然、一緒にラウンドしていた方の知り合いだったので、その場では名刺交換と軽い世間話をしただけなんだけど、1年後ぐらいに急に連絡があって特に営業することなく受注できた。」
偶然にも幸運を引き寄せる力を英語ではSerendipity(セレンディピティ)と言うのですが、僕は言いにくいので「偶然力」と言ってます。
前述の経営者仲間のように、節目節目で素晴らしい出会い・幸運に恵まれる人を見かけることがあります。
偶然力を持つ人の特長
偶然力を持つ人の特長としては、以下のような点が挙げられると感じています。
目の前にあることを一つずつ大切にこなしていく
多くの人と話し、自分のことを人に覚えてもらうこと
新しい事を始めることに抵抗がない
短期的なリターンを求めない
自分が所属している商工会議所青年部(YEG)のメンバーにも同じことが言えると思います。
目の前にあることを一つずつ大切にこなしていく
1点目は、「目の前にあることを一つずつ大切にこなしていく」
日々の小さな仕事・用事でも大切にこなしている人は、もしこちらが大きな仕事を任してもしっかりとやってくれると考えます。
日々の小さな仕事・用事も必ず見てくれている人はいます。日頃から意識づけされてみてはいかがでしょうか。
多くの人と話し、自分のことを人に覚えてもらう
2点目は、「多くの人と話し、自分のことを人に覚えてもらう」
当たり前ですが、多くの人と知り合う機会が多いほどチャンスが巡ってくると思います。
それと同時に多くの人と話すことによって、自分の考え方・価値観を理解してもらうトレーニングにもなります。これはやはり、自腹を切って場数を踏むことが大事だと思います。
相手が自分の考え方や・価値観に共感してもらえれば、その人はあなたを他の重要な人に紹介してくださる可能性も広がります。
新しい事を始めることに抵抗がない
3点目は、「新しい事を始めることに抵抗がない」
日常の生活に流されていくと、新しい事を何か始めることに抵抗がある人がほとんどだと思います。
しかし、実際に新しい試みを続けている人は自分から積極的に情報も収集するため、その事柄に対して興味を持って話しかけてきてくれる人が増える確率が高まります。
飲料業界では1,000個の新商品を投入しても3つの商品しか生き残らないと言われています(「千三つ」)。
失敗しても続かなくてもいいと思いますので、1年に1回は新しい事に挑み続けて日常に変化をもたらすと偶然力は高まると思います。
短期的なリターンを求めない
4点目は、「短期的なリターンを求めない」
「メリットがないからお金のムダ・・・」「忙しくて時間が取れない・・・」「全然仕事に繋がらない・・・」など、どんな団体(〇〇士会、経済団体、社会奉仕団体、業者会など)でも活動から遠ざかっていく方はいると思います。
実際のところ信頼関係の構築には時間がかかりますし、前述した「目の前にあることを一つずつ大切にこなしていく」が、そもそもできていない方も多いように感じます。
残念ながら、こういう発言をされる人は「自分(=自企業)」というブランド価値を毀損することにも繋がります。
短期的なリターンではなく、長期的な視点で信頼関係の構築に取り組まれた方が偶然力は高まると思います。
おわりに
先日、YEGの例会でご講演いただいた経営者から「偶然は必然である」という言葉を大事にしているとお話がありました。
目の前で起きている偶然に思えることを、必然と思えるように自分自身も自省して日々の行動を気をつけたいと思います。