2024 視聴済み中国ドラマおぼえがき
2024年も、WOWOWとU-NEXT中心の視聴でした。年始一発目に観たのは瑯琊榜(再視聴)だったのを覚えています。何回観ても面白い!今はBSでまた放送しているので、人気が再熱するといいなと思います。
それでは2024年分も項目ごとに各作品の感想と、観た中でよかったもの10作品を選んでいこうと思います。
またまた長くなりすぎましたが、よかったらお付き合いください〜。
2024年の完走作品は以下のとおり。
中国ドラマ17作品。
「ロング・シーズン 長く遠い殺人」
「瑯琊榜弍」
「君子盟」
「天地に問う~Under the Microscope~」
「三体」(騰訊版)
「ヒカルの碁」
「将夜~戦乱の帝国~」
「将夜〜冥王の子〜」
「ミステリー IN 上海 Miss Sの探偵ファイル」
「陰陽法師-無心-1」
「陰陽法師-無心-2」
「蓮花楼」
「繁城の殺人」
「剣王朝」
「摩天楼のモンタージュ」
「雲之羽」
「飛狐外伝 レガシー・オブ・ヒーロー」
台湾ドラマ2作品。
「一筆お祓いいたします」
「R.I.P. 霊異街11号」
合計19作品でした。
まず【古装劇】から。
年始に無印を再視聴して気分を高めてから、ようやく臨んだ『瑯琊榜弍』は、無印とは大きく世代が変わり登場人物たちも一新。名作の前作を下手に引きずらず新しい物語として描かれていて、それでも前作の面影をそこここに感じさせる作りでとてもよかった。親世代の禍根を子供世代が償わされるというのはよくあるが、男主の周辺の親子関係、兄弟関係など今まで観てきた作品の中でも特別ぐっとくるものがあった。江左盟がまったく登場しなかったのだけが少し残念。こちらも名作でした。
『君子盟』はブロマンスという宣伝文句を全面に押し出していて、ん〜と思いつつ観たけれどライトな謎解きものと幻影ものミックスみたいな独特の雰囲気で面白かった。陳情令で藍景儀を演じていた郭丞(グオ・チョン)がいい脇役キャラでよかった。いいバイプレイヤーになりそうな気がするので、今後も頑張って欲しいなあと観ていて楽しみになった。話の内容自体はものすごく特別感を感じる訳ではなかったけれど、配役がよかった作品でした。ブロマンスみは、正直、配給側が推したかったW男主よりも、推理好きな男主1と友人のほうがだいぶ感じられたかも。
『天地に問う~Under the Microscope~』はキャストが最高。話も面白かったんだけど主人公のギフテッド的描かれ方と、親の死因について子供に呪いをかけるような締め方に引っかかる部分があって両手放しで楽しめるわけではなかった。王陽(ワン・ヤン)演じる訟師(現在でいうと弁護士のような存在)という存在を知られて良かった。つい昨夜に完走した「九義人」でも出てくる。
『将夜~戦乱の帝国~』、『将夜~冥王の子~』は配給元から1作目が権利関係でもうすぐ観られなくなるというお知らせがあったので視聴。1作目は陳飛宇(チェン・フェイユー)演じる男主が、なんとも小憎たらしい生意気ぽさあってが良かった。終盤、皇帝を前に訴えるシーンの台詞は素晴らしかった。この作品、とにかく素敵なお爺たちがいっぱい出てくるのでその点でかなり楽しめましたが正直けっこうダラダラした場面も多く、滅多にやらない倍速視聴をしてしまった。2作目は男主キャスト変更したりで1作目よりしっくり来なかったけど、書院のメンバーの活躍が多くてそこは良かった。しかしこれ、3作目の動きはもう無いんでしょうかね。続編あっても観ないかなとは思うけど。
『陰陽法師-無心-1』、『陰陽法師-無心-2』は古装カテゴリでは無いけど、現代ものでも無いのでこちらにまとめて。男主はなんらかの影響で不死になり、幾つもの年代を渡り歩くというストーリー。法師といいつつも、なんというかお札を使ったり道士っぽい。キョンシー的な的も出てくるし、2作目は日本語を喋る陰陽師っぽいのも出てくる。衣装やセットもけっこう日本ぽいのでしっかり確認して作ってる感じ。1作目は男主が深手を追ってから治癒するまでの展開が予想外でかなり面白かったし、周辺キャラも良かった。2作目も楽しめたけど1作目には及ばず。3作目は序盤で脱落。
『蓮花楼』はでこぼこ男3人が江湖で大暴れという感じで、WOWOW放送中は毎週とっても楽しみだった。キャラクターが変化に富んでいたしキャストにぴったりの雰囲気。オープニング曲も好きで毎回聴いてたなあ。この作品、成毅(チェン・イー/チョン・イー)の殺陣がかなり好みでバトルシーン楽しみでした。軽やかで美しい。かつて栄華を極めた江湖の大物が、紆余曲折あり今や江湖の流れ者になり、余命幾ばくかという中で飄々と生きている。しかし周りはかつての彼の影を追いかけ続けている。全体的にコミカルなんだけど英雄の背負う切なさが根底に漂っている感じ。この作品の特徴かなと思いました。WOWOW放送分では特別編は放送されなかったけど、私はあの特別編は無しのまま、放送分の大結局でいいかな。
『繁城の殺人』はこういうのを時代劇でやっちゃうのがすごいなと思った作品。こういう作品が生まれてくるのが、中国ドラマ界で時代劇が作り続けられて人気も高い理由かなと思ったり。暗号的に「論語」の一節が使われ、それをなぞった猟奇殺人が起きる。特に華やかなキャラもおらず、画面も薄暗く、全体的に淡々と進んでいくけれど、この地味さが作品に深みを与えている。最後まで観て思ったけど、この作品、男主が3人いる。しばらく余韻が続く独特な作品だった。男主の白宇帆(バイ・ユーファン)が放つなんとも不穏な雰囲気が良かった。ミステリやるのにこういう俳優いてくれるの最高じゃなかろうか。男主の上司を演じる寧理(ニン・イー)も素晴らしかった。物語の和ませ役、男主の同僚を演じている劉怡潼(リウ・イートン)の父は劉奕君(リウ・イージュン)だったんだね?!確かに似ている。
『剣王朝』は李現(リー・シエン)が出てるので観てみようと思ってなんとなーく観てみたけれど、かなりライトな冒険ものっぽい武侠もの?途中から朝廷が絡んでくるけど、どれもライトな感じ。作品名のとおり、世界全体が剣の修行者たちで占められていて色々な門派が出てくる。本当にサラッとしていたので、これといった印象残らず。でも面白くない訳でもない。可もなく不可もなく。ラストの10年後〜みたいな放り投げ感にはもうちょっとなんかあったよなと思ったり。
『雲之羽』とにかく映像にこだわりを感じた作品。今どきな感じ。こういう美に振り切った感じ、悪くないです。これなら若い人にも関心持って観てもらえるだろうなあ。男主演じる張凌赫(ジャン・リンホー)はかなり長身なので、長髪に長いコートのような衣装をばっちり着こなしていて素敵でした。この作品、どのキャラもけっこう凝った重たそうな衣装を着ているイメージだったけど、その重たそうな衣装でのバトルシーンが特徴あって良かった。キャラも演じる俳優も作品イメージに合っていてWOWOWのオンデマンドで観ていたけど毎週楽しみでした。でもラストだけはどうしても好きになれない。そりゃないでしょ!と思っちゃった。他が良かっただけに。続編もお知らせ無いようなので、もうちょっと納めようがあったと思うのです。
『飛狐外伝 レガシー・オブ・ヒーロー』
金庸の作品ということで、やっぱ観とくか。と思って視聴開始。原作とはかなり違うらしいけど、スッキリ終わって楽しめた。天下の大侠ふたりから始まる、子供世代に続く因縁。大侠を父にもつ孤児の主人公が江湖を渡り歩くうちに色々な経験をして師匠に出会い才覚を現していくんだけど、賢いはずなのにすぐ騙されて毒もられたり地下の穴に閉じ込められたり、ツッコミ止まらないのも武侠ものの面白さです。苗大侠が湿った色気のある雰囲気で、かっこよかった。これは原作に無いシーンみたいだけど、女主が、重症の男主を背負って長い階段を這いずって登るという場面があったので二哈和他的白猫师尊だ!(未読なので浅い知識です)と思ったりした。
続いて【現代もの】。
『ロング・シーズン 長く遠い殺人』名作「バッドキッズ」の監督が手がけた作品。それだけで絶対観るぞと思っていたけれど、映像のかっこよさに展開の面白さ。音楽の使い方とかキャスティングとか本当にもう、何もかんも良かった。バッドキッズ観た人ならまあ当然観ただろうけれど、とにかく観てほしい。ラストのタクシー車内のシーン、線路のシーンは名作。主におじさんたちがずっとガヤガヤしているけれど静けさのある不思議な作品。好き。
『三体』(テンセント版)は話題になったWOWOW放送時から少し寝かせての視聴。あんまりSFとか好きではないジャンルなのでどうかなと思いつつ観たけれど、キャストの良さと演技力のおかげで完走。途中のゲーム内に入り込むシーンとか、七面鳥だとか思想のところはあんまりだったけど、史強がキュートおじさんだったおかげで完走できたのであった。おじさんたちがイチャイチャしてる場面と、過去の場面はかなりよかったし、ラストも好き。楽しかった。
『ヒカルの碁』名作です。とにかく観てほしい。少年たちの青春に成長と、夢破れた青年たちの苦悩からの新しい一歩。高みに登ったおじさんたちの物語などなど、そのまま原作を映像化しただけでは生まれなかった最高なドラマ。特に主人公とかのビジュアルを漫画に寄せていないところが天才。中国作品らしいアレンジも加わっていて本当に名作なので、また再視聴したいなと思う。
『ミステリー IN 上海 Miss Sの探偵ファイル』ピンクのスポーツカーを乗り回し、豪邸に住んでるなんかよくわからないけど、はちゃめちゃにお金持ちで美人でスッキリした性格の推理好きな女主が、事件に首を突っ込んでいく話。衣装も華やかで楽しいし、とにかく女主の性格がスッキリさっぱりしつつも思いやりがあり優しくて好きだった〜。この手の推理ものにしては、きっちりエンドマークついているところも好感。演じてるみなさんも楽しそう。
『摩天楼のモンタージュ』主に仕事の昼休憩で観ていたんだけど、かなりハマって観てよかった作品。視聴中は観ている人の感想が読みたくてTwitter検索するも、あまり見当たらなかったので寂しかった。高層マンションの一室で女性の遺体が見つかるところから話が展開していく。私はこの作品、シスターフットだと思った。傷ついた女たちが手を携えて生きていく話。これも普段中国ドラマ観ないような人にも観てほしい作品だった。
日本でもけっこう有名なアンジェラベイビー(楊穎)が主演。この作品の女主、ハッとするほど美人だけど人を寄せ付けないような強さのあるタイプではなく、弱々しさのあるイメージだったので、彼女はぴったりなキャストだなあと観ながらしみじみ。
長々書きすぎて自分でも息切れしたり、けっこう前に観てるので細かいことは忘れていたりするのでまとめて書くよりこまめに…と思うけどなかなか。
上記完走作品から、2024年の個人的10作品はこちら。
上位5作は『ロング・シーズン 長く遠い殺人』、『瑯琊榜弍』、『ヒカルの碁』、『繁城の殺人』、『摩天楼のモンタージュ』。
続く5作は『君子盟』、『天地に問う~Under the Microscope~』、『ミステリー IN 上海 Miss Sの探偵ファイル』、『蓮花楼』、『飛狐外伝 レガシー・オブ・ヒーロー』でした。
台湾作品の2作もかなり良かった。どちらもちょっとホラーとかオカルト要素があるけれど、人間の優しさとか残酷さとか、情けなさみたいなのをいい塩梅で描いているなあと。台湾の文化とかも知ることができて楽しかった。LINEの入力画面とか、葬儀の様子とか。どちらもアマプラでも観られるみたいなので、おすすめです。
今年もすでに2作品完走して、毎週「一念関山」を楽しみに生きているところ。お気に入りが増えたら嬉しいし、観たいなと思っている作品や面白くて好みな作品がたくさん入ってきて欲しいなと思います。