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2/13『ねっこぼっこ』って3種類あるんだ! どこが違うの?『ねっこぼっこ』を調べてみた

タイトル違いで2種類あると思っていたこの絵本ですが、実は3種類ありました。

左:『ねっこぼっこ』
ジビュレ・フォン・オルファース 作
秦理恵子 訳
平凡社 2005/04

中:『根っこのこどもたち 目をさます』
ジビレ・フォン・オルファース 絵
ヘレン・ディーン・フィッシュ 文
石井桃子 訳
童話館出版 2003/03

右:『ねっこぼっこ』
ジビュレ・フォン・オルファース 作
生野幸吉 訳
福武書店 1982/10

『根っこのこどもたち目をさます』は、英語に訳されたものを石井桃子さんが日本語に訳しているみたい。ミッフィーちゃんの訳をされた方ですね。
2つのタイトルを入れて検索してみたら、「さんじのえほん」というブログを見つけました。秦さん訳版と石井さん訳版の2冊が紹介されています。

ねっこぼっこたちの「お母さん」の訳の違いが書いてありました。

新「ねっこぼっこ」の秦理恵子さんは「土のおかあさん」

「根っこのこどもたち目をさます」の石井桃子さんは「大地のかあさん」
となっているそう。

そして、うちにある1982年発行の絵本では
生野幸吉さん訳は「大地のおくのかあさん」。

「根っこの子どもたち目をさます」は、ドイツ語→英語→日本語なので、英語のところで「大地の母さん」となっていたのかもしれないな。

「大地の母さん」と言われると、「母なる大地」「マザーアース」を連想してなんだか壮大。「壮大」って像がぼんやりして等身大の気づきが手元から持っていかれる感じ。

「大地の母さん」は、「あなた方人間たちに春のメッセージを贈ります」とかいいそう。実感が曇るスピリチュアルな感じは苦手。クワバラ、クワバラ。

私は、まずは目と耳と鼻と口と皮膚と自分の気持ちで春を感じたい。
そこにスピリチュアルはあると私は思う。

「大地のおくの母さん」のお部屋のページを眺める。
土の中の母さんの部屋。土の椅子に腰掛けた母さんがいる。
茶色のくるぶしまでの長いワンピースに白い頭巾と裾近くまである前掛けをかけている。
膝には編みかけの何か。その毛糸は茶色。

外には出ないんだな、母さんは。
母さんの前に順に並んだ子どもたちは、自分で縫った色とりどりの春の洋服を手にしている。出来栄えを見てもらうのだ。
子どもたちは、時が満ちたら外へ出るのだ。

次のページを見ると・・・これは今の時代、ジェンダー的にはなんか言われるのかも。笑

布で覆われた丸テーブルの上の大きなカップからは湯気が立っている。
ガスランプかなー、土の中に伸びた根っこにうまい具合にひっかけてある。
ランプの光が四方八方に輝いている。

奥には窓もある。カーテンが開けられているけれど、その向こうには景色はない。
「土の中に窓かい⁉︎」
とツッコミそうになったけれど、そのお部屋斜め上は地上の風景になっていて、
蛇行して川が流れている。
雪解け水かな、たっぷりの水量だ。
もしかして、窓の向こうは川の水?
「あ、水中窓かも!!」と想像したらなんだかワクワクしてきた。

「母なる大地からのメッセージ」というより、とっても具体的で写実的な絵なのだ。
どのページも描かれている世界は、具体と写実の中に空想が拡がっている。

あー、私もちゃんと自分の目を凝らして、耳を澄まして、ちゃんと外に出て風や香りを感じて、今年の春を味わおう、と思う。

わあああ、これから朝仕事に入りまーす。

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