5月 お茶作り
5月2日の八十八夜に始まって、5月は3回お茶摘みをした。子どもの頃の記憶を手繰り寄せながら作る。大きな竈門に置かれた巨大な中華鍋のような釜から立ちのぼるお茶の香りと薪の爆ぜる音。従兄弟たちと煙に巻かれれて姿を消す忍者ごっこをしてはしゃいていたことも思い出したり。
さて、今回のお茶作りも田舎の作り方だ。「釜炒り」のみで完成させる。
摘んだお茶をさっと洗って、タオルで水気を拭き取る。我が家の鉄鍋3種で試してみて、一番大きな中華鍋が一番作りやすかった。中華鍋は薄いので鉄板がすぐに熱くなる。これは葉が焦げやすくもなるけれど、「お茶は積んだらすぐに発酵が始まる」から高熱で炒ってその発酵を止める必要があるらしい。それを優先させたくて、中華鍋を選んだ。
次に、熱くした中華鍋にお茶の葉をいれ、急いでかき混ぜる。箸で混ぜるとどうして動かない葉ができやすい。だから大急ぎでかき混ぜる。または、Y字の枝を2本探してきて、両手に持って混ぜると、4本の枝で効率よく葉を動かすことができる。
ちなみに、風の強い日の翌日にお散歩すると街路樹から折れた枝を見つけることができる。私はそんな自然の落とし物を探すお散歩が好き(笑)
葉全体が熱くなったら、一旦、新聞紙に広げる。熱いけれど頑張って茶葉を揉みます。葉を掌に挟んで、擦りながら落としていきます。2・3回(熱さが残っている間)繰り返す。さらに炒る。そして新聞紙に広げて2・3回揉む。炒って揉むをくり返すと、茶葉一枚一枚が丸まってきます。ただし、炒る度に茶葉は乾いてくるので、割れやすくなる。だから、初めの方数回のまだ水分を含んだ状態の茶葉の「炒る・揉む」の作業が大事。手が、茶葉のアクで焦茶色になるくらい揉む。
お茶受けのそばおやきを作った。蕎麦粉にちょとだけ小麦粉を混ぜて繋ぎにすると簡単。餡は、冷凍しておいた南瓜と枝豆のペースト。蒸してから焼いた方が、中は柔らか、皮は香ばしくってとっても美味。
誰かと食べることを考えながら作るのも、自分の食べたいものを気ままに作るのも、最後は自分が食べるんだから作れる冒険みたいなお料理実験も、みんな好き。