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Y.M.O.は初めての“洋楽“体験だった

Y.M.O.のドラマー・高橋幸宏さんが亡くなられました。
高橋幸宏さんは、ご存知の通りマルチなクリエイターとして音楽のみならず、ファッション、役者などなど様々なジャンルで活躍をされていましたが、私にとってはやはり「Y.M.O.のドラマー&ボーカリスト&コンポーザー」という存在がダントツです。
今、Y.M.O.を聴きながら書いています。

出会いは小学校の給食の“お昼の放送“

私の小学校、給食時の「お昼の放送」なるものがありました。
そこで音楽をかけるわけです。
基本、当時流行っている歌謡曲がかかってまして、ザ・ベストテンで放送された曲、ジュリーとかかかっていたわけですが、ある日「ん?なんじゃこりゃ?」っていう音楽が流れて来たのです。
それがイエロー・マジック・オーケストラの「ライディーン」。
音楽に詳しいクラスメイトが「これ、ライディーンって曲。アニメじゃないぜ」って自慢げに説明してくれたのを今でも覚えています。
(ちなみに、アニメは“勇者ライディーン“。これも良かったですね、超合金持っていました)
そして、彼は言うわけです「外国で先に大人気になったんだぜ(海外ではなく外国ね)」と。
それまで歌モノとしては「歌謡曲」、インスト楽曲&外人としては「ポール・モーリア」か「リチャード・クレーダーマン」しか聴いたことのない身にとっては、異次元・異文化のサウンド。
まさに私にとっての初の“洋楽“体験だったのです。

大人になって改めてY.M.O.を聴く

そんな衝撃体験で出会ったY.M.O.ですが、自分自身はその後まさにビルボード系の洋楽にズボッと進んで行ってしまった為、勿論タイムリーに全部聴いているのですが、Y.M.O.にすごくのめり込んでいた、というわけではなかったのです。
なので、すっかり鈍く尖った“洋楽少年“となってしまった身としては、「君に、胸キュン。」がリリースされた時は、正直、「なんだよ、Y.M.O.日和やがって」という思いも抱いておりました。
が、月日が経って、大人になってここ数年聴き直していたのですが、あの当時の子供には解らない素晴らしさがいっぱい。
「君に、胸キュン。」、普通に50代のハートがキュン、としちゃいます。
今「東風」がかかっていますが、ちょっと泣けますね。

ドラムマシンよりも正確だった高橋幸宏のドラム

高橋幸宏さんは高校生の頃からセッションドラマーとして活躍されていて、Y.M.O.の前には伝説のバンド、サディスティック・ミカ・バンドに参加されて海外公演(ロキシー・ミュージックのオープニングアクトとかも)もされていたトッププレイヤー。
そのレベルの高さを物語るエピソードを一つ。
これは聞いた話ですが、Y.M.O.が出た時、その正確なリズムを聴いた“生演奏主義“な方々から「打ち込みは正確で味が無いな」と言われたそうです。
その方に別のドラムを聴かせたら「そうそう、ちょっとこのヨレた感じこそ演奏しているって感じでいいのよ」と。
ですが、当時のドラムマシンは今ほどデジタルの精度が高く無いので、実は、前者が高橋さんの演奏で後者がドラムマシンの音だったそうです。笑
こんな感じでY.M.O.サウンドを大人として味わい直してみたい方には、Y.M.O.のテクニカルアシスタントをされていた音楽プロデューサー藤井丈史さんの著書「Y.M.OのONGAKU」がオススメです。

本日は訃報を聞いて想いのままに書いてしまいました。
そして、一人でも多くの人に、素晴らしい音楽を時空を超えて楽しんで貰いたい、と改めて思うのでした。


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