初めてジュラのワインを買って飲んでみた
フランスのジュラ地方。ワインを学ぶまで正直聞いたことのない地名でした。黄ワインと呼ばれる「ヴァン・ジョーヌ」や藁ワインと呼ばれる「ヴァン・ド・ペイユ」といった非常に個性的なワインの産地です。このあたり、試験に向けて重要ポイントを頭に叩き込んだことをよく覚えています。
ちなみに、ザックリすぎる解説をすると↓
黄ワインとは:ブドウ品種は「サヴァニャン」を使用し、産膜酵母(蒸発分を補わないため熟成中のワインの上部が酸化することで膜が生成される)のもとで最低60ヶ月以上熟成させる(他、熟成やボトルなどの規定あり)。酸化熟成によるシェリーに近い特有の香り。
藁ワインとは:かつて藁の上でブドウを乾燥させていたことから。最低6ヶ月以上乾燥させ、最低18ヶ月以上熟成させる(他、品種や熟成、ボトル等細かな規定あり)甘口。
ジュラ地方といえばそれらの個性派ワインというイメージしかなかったのですが、そうでない所謂白ワインがいつもお世話になっているオンラインワインショップにあったので、ものは試しと購入してみました。
ところで、シェリーをはじめとする酸化熟成を経たワインが好きかというと正直あまり好きにはなれていません。シェリーについてはワインスクールの授業で初めて学びそれを口にするまで経験値ゼロ状態だったのですが、座学では非常に興味深いものとしてイメージされました。スペインのごく限られた地域で独特の熟成方法を経て造られた酒精強化ワイン。テイスティングタイムをとても楽しみに臨んだのですが……どうも私の味覚は酸化熟成の味わいを理解できず謎の敗北感を味わうこととなってしまったのでした。あらゆるワインの味わいを知り尽くした者が嗜む、上級者向けのイメージを勝手に抱いてしまっていたのですが、そこから門前払いを食らったような気になりました。かつて「ワインは甘口しか飲めない」と言った人を馬鹿にして本当にごめんなさい、という思いがよぎりました。私もただの知ったかぶりのド素人でした。まあ好みの問題ではあるんですが。
たしか授業でもヴァン・ジョーヌを飲んだ覚えはあるのですがやはり好きにはなれなかった気がします。別に苦手を克服するつもりもないのですが、たまたま見つけたジュラのワイン。シャルドネから造られた白ですが、地域特性でヴァン・ジョーヌに近い味わいになっているのかそうではないのか?
グラスに注ぐと、熟成したカリフォルニアのシャルドネよりも黄色みが濃いように思えました。香りは想像していたような熟した果実のそれとは違い、なんとも形容しがたい、やはり酸化熟成のニュアンス。とはいえ口にしてみると酸がしっかりしていてミネラル感も強く感じたので、それほど苦手という感じはなかったです。好んで飲むかというとそういうわけでもないのだれど、他の地域で造られるシャルドネの白ワインとは一味違った面白さがありました。
ちょうど良くコンテチーズが手に入ったので、同じエリアで造られたワインとチーズを合わせて楽しむことに。鉄板の組み合わせでなんだかんだ2人で1本開けてしまいました。ジュラといえばコンテの他にモンドールでも知られていますね。毎年冬が近づく頃の楽しみにしています。こちらもいずれ記事に出来たら。