造船のまち・母なる佐伯湾・ふるさと佐伯市。
行列!
行列!行列!!一体何が始まろうとしているのか・・・。
そうです。「進水式」です!
こちらは佐伯重工業さん。大型船が進水しますよ!
船が生まれる「母なる佐伯湾」・・・。
造船業は、佐伯市の基幹産業。
関連会社の裾野は広く、
造船会社にお勤めのみなさん、そして、ご家族、ご友人。
その胃袋を満たす地元の飲食店さん、などなど。
地域との関わりが深い造船。
もはや佐伯のまち自体が、船を生んでいるのだと思います。
このまちが「お母さん」です。
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そして、どの新船も佐伯の「あかちゃん」と言ってもいいのでは。
上の写真の中、赤い糸が見えますでしょうか。
(錨(いかり)の下あたりに、斜めにある赤い糸です。(見えづらい))
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これは、「へその緒」のようなもの。
船が進水する直前、銀の斧でこの支鋼(へその緒)を切断します。
すると、一気に「ざざーっ」と船が海に進んでいきます!
これがほんとに圧巻です!
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こうして、しばしば進水式は「出産」に例えられるのです。
出産と同じように、進水式は船主さまにとっても、1回限りの大事な式典。
その上で、造船会社さんの真剣さが伝わるのも、素敵なポイントなのです。
「世の中で一番幸せな乗り物は何か」
これは、もしかしたら「船」なのかもしれない。
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なぜなら・・・
「その誕生を、これだけ多くの人に祝福される乗り物はない」からです。
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夜の嵐の海を航海しても耐えられるのは、
進水式でかけられる魔法のおかげなのでしょう。
さあいよいよ進水!
さあ、進水しました。
「産湯」に浸かっているようで、気持ち良さそうですね。笑
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そして、注目は錨(いかり)。
十分に船が進むと、「ガラガラ」と轟音と共にしぶきを上げて、錨が下ります。
この時の轟音は、まさに「産声」です。
元気に泣いておりました。おめでとう!
いやあ~、いい顔していますね!
お父さん似かな?お母さん似かな?
このあと数か月は艤装といって、船の中の装備を整えたり、
試運転などを繰り返したのち、大海原へ旅立っていきます。
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大きな荒波をこえていき成長するほどに、
きっと親に顔が似てくるのでしょう。
だから、わたしは船は母親似に育つと思います。
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さて、日本は島国です。
その物流のほぼ100%は、船(外航海運)に支えられています。
つまり、ご家庭にあるあれもこれも、船無しには成り立たないのです。
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もう1回。船無しには成り立たないのです。
造船が佐伯の基幹産業であること、誇りに思います。
船への感謝の思いを込めながら、進水式をご見学するのも良いものです。
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佐伯は造船のまち、母親のまち。
ずっと母が待つ「ふるさと」のまち。