絶景「洲崎」。
佐伯市「蒲江」に入津湾という海がある。
どこを切り取っても美しい場所。
その入津湾エリアでも西野浦の先、「洲の本」地区が今回の舞台。
住民の許可を得て、お散歩させていただいた。
(というか、呼ばれたのですが・・)
「洲の本」の住家のある地点から、対岸「江武戸鼻」方向には、入津湾の内側に向かって、砂州が長さ500メートル(幅20~30メートル)に渡って伸びる。
この場所を「洲崎」と呼ぶ。
この「洲崎」が最高に美しい。いやっほう~!
「鶴見半島」や「米水津・空の公園」、そして「入津湾の入り口」から「入津湾内の4鼻」が眺められる場所で、じつは『名勝(佐伯市指定文化財)』とされている。
この海岸の石は、なぜか他と比べて大きい。
この「洲崎」の先端には神社があって、
その名は「簀戸姫(すどひめ)大明神」という。
・・・姫?
地域の歴史・文化がまとめられた「蒲江町誌」には、次のようにある。
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『その昔、「うつぼ船」に乗って、このあたりの海岸に流れ着いた舟中の姫と侍女が、トラブルにあって亡くなったという。』
このあわれな姫たちの霊を祭ったのが、この簀戸姫神社とのこと。
ところで、「うつぼ船」って何?
ウィキペディアで調べてみた。
うつぼ船は「虚船(うつろ船)」や「空穂船」と書き、「架空の舟」を意味するとのこと。
・・・どういうこと?
研究者の考察によると・・・
「たまのいれもの」、つまり「神の乗り物」をいうらしい。
荒ぶる常世浪を掻き分けて本土に到着した、と伝わっていることから「潜水艇」のようなもの。(柳田國男)
他界から来た神がこの世の姿になるまでの間、入っている必要がある「いれもの」。(折口信夫)
窓も出入り口もない舟で、「舟葬」という説も。
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いずれも、中には謎の美女がいたとされている。
そして、これがその簀戸姫神社。実際にある。
ヤシ系の樹木に囲まれた不思議な空間。
「うつぼ船」は全国各地に伝承が残るミステリーで、UFO説まである。
ネットで検索すると、円盤状の奇妙な乗り物と思われる絵が複数出てくる。
ちなみに、この入津湾。
空から見下ろすと、「星のかたち」をしている。
不思議な地形に引き寄せられてやってきたのだろうか。
洲の本地区には、もうひとつ神社がある。
なじみのあるスタイルの「恵美須神社」。こちらが地区のメインの神社。
うつぼ船が窓のない船というと、「桃太郎の桃」に通ずる部分も感じる。
あるいは、「かぐや姫の竹」。
はたまた、「浦島太郎」の竜宮城のあの異世界から、亀に代わる「うつぼ船」に乗ってやってきた使者でしょうか。
恵美須神社の隣り、洲の本の外海側の岬はなぜか「龍宮鼻」という。