巨大な建造物をつくりだす神業、「造船業」。
進水式。
大分県佐伯市では、ほぼ毎月のように行われています。
船を造るという営み。また、それを続けてきたということ。
わたしは、大変尊く感じております。
進水式は、とにかく「縁起が良い」です。
まず、「お祝いごと」であり、船舶にとって最初の「船出」であります。
「紅白幕」の会場に、「神事」が宮司によって執り行われ、「主役の船主さんからの餅投げ」もされたりします。
進水直前の「支鋼切断」では・・・、悪魔を振り払うといわれる「銀の斧」で、船を最後まで繋げているロープ(支鋼(シコウ))を切断します。
ロープを切断すると、連動して「シャンパン」や「日本酒」が船体に叩きつけられ、同時に「くす玉」が割れ、「リボン」や「紙ふぶき」が舞います。
「大安・友引」に、進水式が実施されることが多いように感じられます。
そして、さらに佐伯では、ブラスバンドによる「生演奏」が式典に華をそえます。
めでたいことのオンパレードです。
これだけ新船の誕生は、おめでたいということなのです。
おめでたくしなければならないのです、きっと。
なぜなら、大自然に立ち向かわなくてはならないからです。
造船は、「尊い」です。海を乗り越えていく建造物。
これを造り出す造船マンのみなさんが神々しく見えます。
「神業(かみわざ)」という言葉を検索してみました。
1.神のしわざ。または、超人間的な技術や行為。
2.神に関する行事。
と、あります。
巨大な船を造り出すこと、これは本来「神業」なのでしょう。
いわゆる宮司さんのような姿でなく、作業着こそ着れど、神職のような尊い仕事といえる造船業。
この日もまた、船に命の火が灯されました。
明日もまたこの佐伯で続く造船業。尊い営み。
元気がない方、佐伯へお越しください。進水式をご見学ください。これから長く自然に立ち向かう船の誕生をご見学ください。
きっと心酔(進水)し、再起(佐伯)できるはずです!