「豊後二見ヶ浦」と茜空。
大分県佐伯市「上浦」。
ここには、「豊後二見ヶ浦」がある。
ここからの朝日は、本当に美しい。
「東雲(しののめ)」という日本の古語があるが、
調べると、「夜明け前に茜色にそまる空」を意味するとのことである。
まさに、ここは「東雲(しののめ)」と呼ぶにふさわしい場所で、
この豊後二見ヶ浦に隣接した小・中学校の名はともに「東雲」である。
この上浦から見る、東の方向には「伊勢神宮」があり、
それが太陽の光をより有り難いものにする。
「豊後二見ヶ浦」には、男岩17m・女岩10mの夫婦岩があり、
そこに、長さ約65m、重さ約2トンのしめ縄がかかる。
この大しめ縄の張り替え作業は、年末の風物詩で、
毎年「12月の第二日曜日」に総出で行われる。
写真ではご覧のとおり、しめ縄はくたびれている。
張り替え前のほぼ1年経った状態のしめ縄がこれである。
1年の風雨を耐え忍んできた大しめ縄には、
役目を果たしてきた貫禄がある。
そして、2018年12月9日は、
平成最後のしめ縄の張り替え作業となった。
これが、なんと「50回目」の張り替え作業である。
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ただ張り替えるだけではない。
藁一本から、まず65mの縄を3本作り、それを合わせて、
一本の大しめ縄にする大変な作業である。
「夫婦岩」の50回目のしめ縄張り替えであるから、
「金婚式」を迎えたといえる。めでたい!
文字通り、朝日を受けて、夫婦岩が金色に輝く。
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カップル、夫婦で訪れる方が多いのは、
日本一の長いしめ縄が「絆」そのものであるため。
正月、真新しくなったしめ縄の向こうに昇る朝日が楽しめる。
今では地域の当たり前の光景であるが、
50年もの間、当たり前にし続けてきたことに、頭が下がる。
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「初日の出」は、豊後二見ヶ浦でパワーをいただこうか。