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#2無垢材ならなんでも良いわけではない
何で集成材が使われるようになったのか?
約20年以前までは構造材=土台(コンクリートの基礎の上に載っている角材)や柱・梁(水平に組んである部分)は殆んどが無垢の構造材でした。
当時一般的に使われていた構造材はグリン材と呼ばれる物で未乾燥の木材です。土台や柱、梁などの構造材に未乾燥の木材(木材の水分が30%を超える未乾燥材)を使用するとどうゆう事が起こるか?
木材というのは切り出した時は水分をいっぱい含んでいます。その状態で製材して建物を建てると、時間の経過とともに木材の水分が抜けて(乾いてくる)木材が縮んできます。構造材が縮んだり、よじれたりすると、外壁に亀裂(ひび割れ)が起きたり、サッシに隙間が出たり、床が斜めに傾いたりなどなど様々な問題が出てきます。こうした事から、国は平成12年4月に「瑕疵担保履行法」という法律を新たに作りました。これは、構造上重要な部分についての瑕疵の責任を建築会社に負わせるということにしました。その期間は引き渡しの日から10年間です。
この法改正がきっかけで大手ハウスメーカーや建売業者などは構造用集成材という木材を使うようになったわけです。集成材とは木の板を柱であれば5枚ほど接着剤で貼り合わせた構造材です。木材というのは厚さが薄ければ乾燥させやすく、この乾燥させた板を張り合わせれば、梁のような大きな構造材も10枚、20枚と貼り重ねていけば大きな構造材を作る事が可能な訳です。
構造用集成材の問題点は貼り合わせた接着剤の強度や耐久性です。集成材がで始めた頃は黒ノリと言われたレゾルシノール系接着剤で強度が強かったのですが、シックハウス法によって白のりと言われるイソシアネート系接着剤に変わってから、構造用集成材の剥離事故が多発して居ます。健康問題は解決しても、接着力が弱くなると建物の強度の問題が出てきます。
又、接着剤は石油工業品ですから火災などでは黒煙を上げて有毒ガスを出しながら勢いよく燃えるという最悪の状態になります。
無垢の構造材は含水率が15%以下まで乾燥させれば、建てた後の乾燥収縮による問題は殆んど出ません。エアコンを使った場合の室内平衡含水率は10〜12%と言われて居ますので、これに限りなく近づければ、収縮変形は起きないのです。
乾燥無垢材であれば、シックハウスの問題や耐久性の問題、火災時の問題などクリアできる訳で、昔から使われている、数千年の歴史のある無垢材が使われる住宅が増える事が望ましいのです