FIVBコーチ・コース・レベル1~3(FIVB COACH COURSE LEVEL Ⅰ~Ⅲ)まとめ#3
本記事では、実際にFIVBコーチ・コース・レベル3を受講するまでの流れ、実際に受講しての感想(前半)についてまとめていきたいと思います。
FIVBコーチ・コース・レベル3
レベル2のライセンス取得後は素晴らしいご縁をいただき、ワンシーズンVリーグチームであるリガーレ仙台にてヘッドコーチとして活動しました。そしてワンシーズンを終え、その後の進退について熟考した結果、家族で海外に移住して、バレーボールを生業として生活するという7年越しの夢を叶えるべく退団することを決意しました。2024年4月からは地元の香川県に戻り、海外でバレーボールを生業としていくためのあらゆる可能性を探りはじめました。
そして、幸運にも大変素敵なご縁をいただき、シンガポールのバレーボールアカデミーでコーチングスタッフとして雇用してもらう機会を得ることができました。
2024年7月中旬からは、シンガポールで試行期間として約2ヶ月の活動に従事しました。
さらに、アカデミーの代表にFIVBコーチ・コース・レベル3を受講したいと考えている旨を伝えたところ、快諾をいただき私の受講を後押ししてもらえました。彼自身もFIVBコーチ・コース・レベル3のライセンスを既に取得しており、素晴らしい学びの機会になるからしっかり学んできてほしいと私を勇気づけてくれました。
手続き等
レベル3の受講手続きは、実質的に5回目(レベル1で2回、レベル2で2回の手続きを経験。詳しくは前記事をお読みください。)ということもあって非常にスムーズに進めることができたように思います。基本的な流れはレベル1、2と変わりませんでした。
そして、開催国はタイ王国を選択しました。これは日程的にも調整しやすかったということもありましたが、シンガポールから地理的にも比較的近いという点や、近年のタイ王国のバレーボールの目覚ましい発展にも大変興味があったという理由がありました。
また、レベル3の受講者はレベル1や2とは違って、とてもインターナショナルな面々が揃っていました。レベル3が開催される国というのが世界でも限定的であるということも影響しているのだと思いますが、近隣のアジア各国だけではなくヨーロッパやアフリカなども含め様々な国、計16カ国から35名の受講者が参加していました。
コース内容
コースは、FIVBインストラクターやバレーボールのエキスパート(ナショナルチーム監督経験を持つコーチやFIVBのトップレフェリー等)による座学とオンコートレクチャー、そして、事前に割り当てられたテーマについて各受講者がプレゼンテーションとオンコートレクチャーを行う形式で実施されました。
FIVBインストラクターはジョン・ケッセル氏と馮坤氏(アシスタント)の2名で、お二人ともとてもフレンドリーかつ柔らかい空気感をお持ちでコース中も終始、和やかで心地よい雰囲気の中、学ぶことができました。
ここからはもう少しコースの内容について詳しくまとめていきたいと思います。
インストラクター主導
コース全体のファシリテーションも含め、ジョン・ケッセル氏が中心となって座学とオンコートレクチャーを進めていきました。座学のセッションでは、トップレベルにおけるバレーボールの知識やこれまでの経験談についてはもちろんのことながら、バレーボールとはどのようなスポーツであり、それゆえ、どのようにトレーニングをするべきであるのかという本質に触れる話が多くを占めていたように感じています。また、グラスルーツにおけるバレーボールコーチングの重要性についても熱く語ってくださいました。これまでも育成カテゴリに関わることが多く、これからも関わっていくことになる私にとっては、使命感を強く抱く貴重な機会となりました。
また、オンコートレクチャーは受講者が彼の練習プログラムに実際に参加しながら学んでいくというスタイルで進んでいきました。私も実際に参加しましたが、すべての練習プログラムに彼の信念やこだわりが詰まっていることを肌で感じることができました。少しでもゲームに近づけるためにどんな工夫をすればよいのか、また同じ時間の中でどれだけ多くの回数プレーヤーがボールタッチできるのか、どうすればプレーヤーが楽しめるのか、そうしたことを徹底的に考え抜いたプログラムであったと感じています。
エキスパート主導
タイのナショナルチーム監督経験を持つコーチやFIVBのトップレフェリーなどのエキスパートによる座学とオンコートレクチャーを受けました。
中でも、過去にタイ・ナショナルチーム女子の監督経験のあるキャテポン・ラッチャタギャングライ氏による座学とオンコートレクチャーは大変心に残りました。
まず、彼の座学ではタイ・ナショナルチーム女子における長期的視点での強化がテーマとなっていました。彼の話しぶりや話す内容から、彼のコーチングに対する情熱や哲学を強く感じました。またチーム強化の過程でぶつかった課題とどのように向き合ってきたのかなど、非常に貴重な経験についても惜しみなく語ってくださいました。
オンコートレクチャーではタイの育成年代のプレーヤーの協力を得て行われました。1時間程度のオンコートレクチャーでしたが、それぞれのトレーニングの目的が非常に明確で、かつそれらが統合されているという点に非常に感銘を受けました。また、場面場面で彼の情熱的な一面も垣間見ることができました。普段からプレーヤーと本気でいつも向き合っているのだということが強く伝わってきました。