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DNA COACHING FUNDAMENTALS
イングランドのサッカーを統括する国内競技連盟であるザ・フットボール・アソシエーション(The Football Association)が提唱している『DNA COACHING FUNDAMENTALS』
この内容に、深く感銘を受けたのでここに記事として残しておきたいと思う。
DNA COACHING FUNDAMENTALSとは
『DNA COACHING FUNDAMENTALS』とはイングランド国内におけるすべてのサッカー・コーチが守るべきだとされるコーチング原則12箇条のことである。コーチングをするのであれば、ここに挙がっている12個の約束は守りましょうというものだ。このコーチング原則12箇条は次の言葉の後に続く。
『DNA COACHING FUNDAMENTALS』はイングランド国内すべてのコーチング・セッションのデザインと運用のための一貫した枠組みを提供する。すべてのイングランドにおけるトレーニング・セッションは次に掲げられる核となる原則によってデザインされる。
The DNA coaching fundamentals will provide a consistent framework for the design and delivery of all England coaching sessions. All England training sessions are designed around the following core principles:
『DNA COACHING FUNDAMENTALS』12箇条
それでは、早速コーチング原則12箇条について見ていきたいと思う。できるだけ頭に入りやすいように解釈を入れながら意訳している点にご了承いただきたい。
<DNA COACHING FUNDAMENTALS>
1. いつでもプレーヤーにはポジティブで熱意を持った姿勢で関わる
2. 各セッションの内容よりも、セッションでの狙いや目標を指導するグループに理解してもらう
3. 可能な限りすべての練習と各セッションの中にトランジションの要素を含める
4. 実際のゲームに関連づけられた練習を行う
5. 各セッションすべてが連結し、活性化され、かつ実際のゲーム・デモンストレーションであり、統合されている状態を目指す
6. 練習のデザインとプレー時間最大化のために、包括的アプローチを採用する
7. トレーニング中に可能の際はいつでもゲーム形式を採用する
8. FA※1が提唱する『The FA's 4 Corner Model※2』を用いてまんべんなく評価し、それを運用する
9. 指導グループの必要に応じて多様なコーチング・スタイルを取り入れる
10. 多くの決断を伴うプレーをプレーヤーができるように練習を発展させていく
11. プランニングと振り返りを行う際にはそれぞれ等しく時間をかける
12. すべてのセッションでボールを扱っている時間を最低70%以上に目標設定する
※1. The Football Association(イングランドのサッカー国内競技連盟)
※2. FAが提唱しているプレーヤーの発達を包括的に捉えるためのフレーム・ワーク。プレーヤーの発達を『テクニック・フィジカル・メンタル・社会性』の4つの視点(コーナー)から包括的に捉えている。そして、それぞれの要素は他の視点から独立して機能することはなく、相互関係・相互作用の関係にあると考えている。
『DNA COACHING FUNDAMENTALS』というガイドライン
本記事で紹介した『DNA COACHING FUNDAMENTALS』を一通り読み終えたときにある種の感動と畏敬の念さえを覚えた。というのも、このコーチング原則なるものを創り上げるまでのプロセスを想像してしまったからである。
コーチングを行う上で大切なことは枝葉的な要素も含めれば本当に無数に存在する。それを、これだけ端的な表現で12個まで削ぎ落とすには優秀な大勢のコーチやあらゆる分野の専門家たちがコミットし、膨大な時間を費やしたことは想像に難しくない。そして、この12箇条をこの先10年、20年先のイングランド国内のサッカーの未来を創り出すコーチたちへの贈り物(ガイドライン)としてプレゼントしたわけである。そこには並外れた責任が所在しているのだ。
こうした背景を感じながら、この12箇条を読むとなんとも感慨深いものがある。日本のバレーボール界にもこうしたコーチたちへのプレゼントが贈られる日がいつかやってくることを願うし、自分自身のライフワークとしてそのプレゼントを生み出す力に少しでもなれればと思うのである。
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