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「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法(前) -セットアップの基本を考える-(3/5)
【3/5】
セットする(トスを上げる)ときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(前) -セットアップの基本を考える-(1/5)
セットするときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(後) -セットアップの基本を考える-(2/5)
からの続きです。
練習方法
練習としては、「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむために、徹底的に試行錯誤を繰り返すことですね。動画【フォーラム】セットのバイオメカニクス(後編)の「天使の輪」を体で理解するということですが、これは家でも4畳半くらいのスペースがあればできるかもしれません。
体育館であれば、三角パス(3人で正三角形の位置に立ち、時計回り・反時計回りにパスを回す)で、ボールを飛ばす方向に正対してパスしたり、ボールが飛んでくる方向に正対したまま回転せずにパス(サイドセット)したりします。
この時、まず、「どこでとらえればどこに飛ぶか」の意味を感じてもらうために、例えば「顔の前」でとらえて、そのままボールを突き飛ばしてもらいます。そうすれば「顔の前でとらえると、軌道の低いボールになる」ことが実感できます。次に「オデコの前でとらえるとどの角度でボールが飛ぶか?」、さらに「真上に飛ぶようにするにはどこでとらえればいいか?」を自分の感覚で探してもらいます。その違いが分かると「斜め60°右方向に飛ぶようにするには、どこでとらえればいいか?」を探せるようになります。
次にシンプルな練習としては、ネットから離れた位置から「レフトに正対してレフトに上げる・レフトに正対したままライトに上げる・ライトに背を正対させてライトに上げる・ライトに背を正対させたままレフトに上げる」というのをやります。原則として「遠い方に正対して、近い方へサイドセット」で行います(下図の通り、日本バレーボール協会編「コーチングバレーボール 基礎編」に紹介されています)。もちろん、遠い方にもサイドセットの方が正確にコントロールできる場合もあります。
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重要なのは、「ボールの落下点に移動していくときに、『上げたいところにボールを飛ばすにはどこでとらえるべきか』を見切って、その位置に体を止める」ということです。どこに上げたいか、そのためには体をどこに持って行けばいいか(「体の中心→ボール→目標」のラインを作れるか)をイメージしながら移動するわけです。
その「イメージ」というのは「①体との位置関係」のことですが、「②しっかり目標にボールを飛ばせる体勢」も含まれます。「しっかり足場を安定させて体を止める」があってこそ、「ボールと体の位置関係」に意味が出てくるので、①と②は分けることができないのです。(1/5に書いた「方向のコントロール」に必要なことを再掲します)
「方向のコントロール」に必要なこと
①適切な位置でとらえる
②しっかり目標にボールを飛ばせる体勢を取る
コート上のいろいろな位置から、上げたい位置全てに上げられるように、練習していきます。
まずは「移動」の負担がない状態でできるように、コート上のいろいろな位置から上げるのを、簡単なものから一つずつクリアしていきます。
次に「移動」を加え、「ネットに近づく」「ネットから離れる」「レフト方向に移動する」「ライト方向に移動する」の4パターンを少しずつつかんでいけるようにします。
上手くコントロールできたら難易度を上げていき、上手くできなかったら「感覚をしっかりつかめているところまで戻って」上手くできる感覚を確かめられるようにする、プレイヤーの状況にあった球出しが重要です。「プレイヤーができていること」をしっかり観察してください。
球出しは掴んでほしいことを掴む試行錯誤になるようにするだけです。
「やり方(プレーの詳細)」が指導者のイメージと違った時には、もう1本同じボールを出して「選手本人が納得するセット」が上がるか確かめます。「こうすればこうなるんだな、イメージ通りのセットが上がるにはこんな感じでやればいいんだな」とプレイヤー自身が感じるまで、同じボールを出してみてほしいと思います。
そして、プレイヤー自身のやり方の選択肢の中に指導者がイメージするものがないことが分かったら、その選択肢を教えるかもしれないし、そのやり方を使った方がうまくいく状況を作って、自分で見つけてもらえるかもしれないし、ということはありますが、あくまで「プレイヤー本人の試行錯誤」が中心です。指導者の役目は、その環境を作り整えることですね。
後半:「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法(注意してほしいこと)に続く
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