見出し画像

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(1/3)

多くのセッターがコートの中心より少し右寄りに立っている。なぜ?

こんな疑問を持ったことがある人はいるだろうか?

私はバレーボールを深く理解したいと思うようになってからこのような疑問を持つようになった。しかし、これまで長い間「些細な疑問」としてそのままにしてきたのもまた事実である。

しかし、ある私が尊敬したやまないバレーボール・コーチとの会話によって突如として、私の「些細な疑問」は解決に向かったのである。しかし、考えてみればみるほど決して「些細な疑問」として終わらせてしまってはいけなった重要な問題なのではないかと思うに至ったのがこの記事を執筆しようと思った経緯である。

まず、この話をする前にスロットの概念について理解しておく必要があるので簡単に解説をしておきたい。

スロットというプレー(セット)・システム

スロットとは、コート幅を9分割したときの空間位置を表す言語システムである。スロットは1メートルの幅でセンターラインからアタックラインまで延びている。そして、コートの左側か右側に向かって順番に「5,4,3,2,1,0,A,B,C」と続く。そして、ゼロ・スロットをセッターが立つ位置、すなわち主標的としたのである。このシステムは、1984年のアメリカ女子オリンピックチームのシステムとして採用されたもので、かの有名なセリンジャーのパワーバレーボールを執筆したアリー・セリンジャー氏がジム・コールマン博士の提唱したセット・システムを独自に修正したものである。

ここから先は

575字 / 2画像
この記事のみ ¥ 100

バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。