各発達段階におけるトレーニングの在り方#8
「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第8回です。
前章までは『暦年齢』と『生物学的年齢』という切り口から、発達段階に適した育成グルーピングの重要性について考えてきました。本章からはLTADモデルの各発達段階におけるトレーニングの在り方について考えていきたいと思います。LTADモデルでは、プレーヤーの発達段階の区分けをする上で、便宜上『暦年齢』が使われていますので、ここではそれに従って発達段階を区分けして考えていきたいと思います。
7つの発達段階区分けと8つの説明項目
LTADモデルにおける各発達段階のトレーニングを考えるにあたって、最も参考になると考えられるものがカナダバレーボール協会の発行するVOLLEYBALL FOR LIFEだと言えます(上図参照)。そのため、ここからはこちらを参考にして考えていきたいと思います。
LTADモデルの発達段階は大きくは7つに分けられています。そして、それぞれの発達段階を説明する上では、8つ項目が設けられています。まずはそれぞれの項目についての理解を深めていきたいと思います。
Overall Goal(総合的ゴール)
各発達段階における目標について簡潔に一言で表現したものとなります。トレーニングの方向性を示すものとなるため、非常に重要となります。
Chronological Ages(暦年齢)
各発達段階における暦年齢の目安となります。ここまで説明してきた通り、実際には「生物学的年齢」も考慮しながら、プレーヤーの発達段階がどこにあるのかを適切に判断する必要があります。
Focus(焦点)
各発達段階において焦点をあてるべきコンセプトを指します。
Skill Development(技能発達)
各発達段階におけるプレーヤーの技能発達の特徴について説明をしています。
Goal(ゴール)
各発達段階におけるプレーヤーが達成すべき具体的な目標について説明をしています。
Discipline Integration(専門分野の統合)
各発達段階におけるインドアバレーボールとビーチバレーボールをそれぞれどのようにプレーしていくべきかの指針を示しています。年齢を重ねるにつれて、専門分野に分かれていく傾向にあります。
Periodization(期分け)
各発達段階における試合時にピークパフォーマンスを達成するための計画的トレーニングの期分けと言えます。年齢を重ねるにつれて、期分けがより細かくなっていく傾向にあります。
Training to Competition Ratios(トレーニングと試合の比率)
各発達段階におけるトレーニングと試合の比率となります。
次章からは、上記で説明した各項目に沿って、各発達段階におけるトレーニングの在り方について詳しく見ていきたいと思います。