2年連続、高校2年生、放送部。
大内彩加です。
先月末、只今紛争中の裁判の証人尋問がありました。傍聴に来てくださった方々がご感想をSNSでポストしていたりnoteで記事を書いてくださっております。本当にありがとうございました。そのうち、自分が感じたことや裁判の流れについて書き留めておきたいと考えています。
とは言え、どちゃみそ精神的にお疲れなのと、尋問後にある和解協議が毎週のようにあり毎日担当弁護士と連絡を取り合い、舞台稽古も相まって生きるので精一杯なので今回は舞台のことだけ書きます。
11月26日から12月1日まで、プテラノドンという団体の公演に出演します。俳優復帰から3作目、東京で公演に参加するのは2022年3月以来です。とっても久しぶり。
プテラノドンの稽古場ですが、稽古場のルールがしっかりしており、6月からプレ稽古と称して1ヶ月に1、2回集まって稽古をしておりました。その時からハラスメントについて話し合ったり、それぞれの人となりを理解する時間があってとても有意義でした。
個人的にとても好きなルールは「具合が悪くなったらちゃんと休む」です。当たり前のことなんですが、この業界は特に休むことを嫌うというか、体調が悪かろうとなんだろうと休もうとしてこなかったように思います。
前述の通り、毎日のように裁判の打ち合わせがある状況で今回の稽古期間中、かなり鬱病が酷い状態にありました。そういった時に「無理して来なくて大丈夫だよ」と休ませてくれたり、結局休むということが出来ずに稽古場に来た私に対して「休むことがその人にとって必要な事とは限らないからね」と言ってくれたり、「稽古入れないときは今無理って言ってくださいね」と言ってくれたり……なんとおおらかな稽古場だろう……でもその方がお互いにプラスだよね……稽古場が回るもんね……。となりながら稽古に参加していました。結果、体調不良が原因で丸1日休むとかそういったことはなく、しっかり稽古に参加出来ました。
作・演出の笠浦さんは稽古中、もっと面白いシーンが出来ると思ったら素早く台本を書き換えてくれるし、それに呼応する俳優たちも毎度面白いです。
本番が11月26日(火)から始まります。
超個人的なことなのですが、ここ数年で個人個人に宣伝するのがとてつもなく苦手になりました。劇団にいたときも、裁判をしている間も、ずっとずっと、「自分は、観に来てくださった友人やお客様に加害の加担をさせてしまったのではないか」と悩み苦しんでいたからです。もう二度と、虐げられた、いらない苦しみから生まれた芸術を観てほしいとは思わないし、自分が関わる創作現場においてそういったものは出してはならないと思っています。
だからこそ、心から人に「観てほしい」と思える作品にだけ出たいし、復帰してから3作目になりますがどの現場も私は胸を張って「面白い作品が出来た」と言えます。
とは言いつつも、物価上昇に伴い、観劇自体が難しくなった方も大勢いらっしゃるかと思います。観劇はいつ、いかなる時も皆平等に出来る芸術、娯楽であってほしいです。物凄く今作にも触れてほしいのですが、とにかくあらすじだけでも読んでほしいよ!という気持ちであらすじを貼っておきます。
プテラノドンvol.3「青春にはまだはやい」
◎あらすじ◎
野球部が甲子園を目指すように、多くの部活には目指すべき全国大会がある。放送部の場合、それはNコン(NKH杯全国放送コンテスト)で、1954年から毎年開催されている。
「民宿わじま」にて。ワカナは、この民宿の経営者だった祖母の死にともない、民宿の後片付けをし ていた。作業中、仕事もなければ、友達もいない、そんな人生に絶望をつのらせ自殺をはかった際、「願いが叶うノート」を見つける。そこには民宿わじまにかつて合宿で泊まっていた生徒たちのキ ラキラした思いがつづられていた。
ワカナがここまで転落したきっかけはなんだろう?
そうだ、高校生のときコロナ禍でNコンが中止になっちゃったこと。 あのときに私は、青春を奪われて、人生を奪われたんだ。
そう思ったワカナはノートに人生最後の願いを書く。それは、過去の世代、Nコンを当たり前にでき た世代の高校生に、大会中止の苦しみを味合わせること。
一夜明けると、民宿わじまには高校生が集まっている。
彼らはそれぞれ過去からやってきていた。
ワカナは彼らに、今この場でNコンを開催すると宣言。まんまとやる気になる高校生たちだが、もちろんワカナは、土壇場で中止するつもりである。彼らの青春をいっときでも奪うことが、ワカナの望みだからである。
本作品はキャストの実年齢をもとに、各役柄の時代設定を構築している。「高校生とはほど遠い」年齢のキャストが演じているということは、それだけ遠い過去からやってきたということである。
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以上、あらすじでした。
つまり私は2010年の高校2年生を演じます。そして私は本当に高校放送部出身なので、これだけ覚えておけば舞台「青春にはまだはやい」が楽しめるよ!という専門用語も書いておきます。
Nコン∶NHK杯全国放送コンテストの略。野球部で言う夏の甲子園。全国の放送部が出場する。地区大会、県大会、全国大会の順。
アナウンス部門∶Nコンには部門がいくつかあって、今作で出てくるキャラクター達が出場しているのはアナウンス部門。NHKが提示してくるテーマに沿ったアナウンス原稿を自分たち作り、大会で披露します。制限時間は1人につき1分10秒以上、1分30秒以内。
放送部∶学校によって活動は様々。お昼の校内放送を担当する学校もあれば、校内放送は『放送委員会』がやっている学校もある。Nコンに向けてアナウンスや朗読に特化した学校もあれば、番組制作に特化した学校、そもそも活動に打ち込んでいない学校も。全国規模の大会は夏のNコン、秋から予選が始まる総文祭(文化部のインターハイと呼ばれている)の2種類。都道府県によっては独自の朗読コンテストや地方局開催の番組制作コンテスト、スポーツ大会の場内アナウンスや地元のお祭りや行事で司会を務めることもある。とにかく幅広い。
この3つを押さえておけばなんとかなると思います。
また、個人的なことなのですが私は昨年の夏にも柳美里さんの作品で福島出身の高校2年生&放送部の生徒を演じています。昨年出演した作品も今回出演する作品も当て書きだと個人的には思っているのですが、どちらの役も『福島出身/2010年の高校2年生/放送部』というところまでは一緒なのに書き手が違うだけでこんなにキャラクターが変わるんだなあとお芝居の面白さを感じています。
良ければ、舞台、観に来てください。
いまの私たちにしか出来ない公演です。
於:「劇」小劇場東京都世田谷区北沢2-6-6https://www.honda-geki.com/gekisho/
○キャスト
太田知咲(プテラノドン)、菅沼岳(プテラノドン)、桜木紗瑛、加納遥陽、志賀耕太郎、大内彩加、渡漫りょう、水野小論、つついきえ、柿丸美智恵、瓜生和成、朝倉伸二、山野史人
○タイムスケジュール
11月26日 (火)19:30
11月27日 (水)15:00/19:30
11月28日 (木)15:00
11月29日 (金)15:00/19:30
11月30日 (土)13:00/17:30
12月1日 (日)13:00/17:30
※開場は開演の40分前です。
※上演時間は105分程度を見込んでおります。
○チケットご予約
全席指定
前売 4800円/当日 5500円
U-22 3800円 (枚数限定·劇団扱いのみ·要身分証提示)
※未就学児入場不可
↓予約フォーム↓
ヘッダーの写真は、放送部時代の思い出の品々です。最後に見ていってくれや。
私は実は、小学校6年間放送委員会、中学3年間放送委員会(兼生徒会)、高校3年間放送部という12年間『放送』というものに関わってきた恐ろしい一途人間です。
真ん中の缶バッジは2010年の夏に宮崎県で開催された全国高校総合文化祭に参加した時のものです。
2011年の全国高校総合文化祭の開催地は福島県でした。私は福島県の相双地区にある原町高校という学校で放送部に所属していたのですが、2011年のふくしま総文の為に、相双地区の放送部代表で宮崎県に視察に行っていたのです。
高校2年生の時に行ったきりなのですが、宮崎、とっても楽しかった記憶でいっぱいです。幼少期に宮崎弁をしゃべるハムスターが主役の「浜山ペンタゴン」という漫画が好きで読んでいたので宮崎にいつか行ってみたいという思いがあり……宮崎ではラジオに出演したり、夜中にホテルを抜け出して同級生とマンゴーを買いに行ったりしました。
残念ながら翌年、私は2011年3月の東日本大震災で福島県から避難せざるを得なくなり、群馬県へ転校をしたため、ふくしま総文にも関われなくなってしまいました。
でもふくしま総文のクリアファイルと、メンバーTシャツだけは今でも大事にとっておいています。今でも夢に見るくらい、ふくしま総文に参加できなかったことは私にとっては苦しい思い出です。
とは言え転校先でも放送部の活動は意地でも続け、Nコンの全国大会に出場することになったので全国大会のクリアファイルを持っているという、品物に纏わる思い出でした。
12月1日まで頑張るぞ。おー。
本当に大好きなメンバーなので、観に来てくださったら嬉しいです。大内彩加でした。