40年越しの答え合わせ
「なんでさぁ、勇気しかくれんのんだろうね。」
ランドセルを背負いながら、
和美ちゃんは確かにそう言い放った。
あの鹿みたいなのは、いつも勇気しかくれない。
なんで毎回勇気なんだろうって。
あの時、私は何年生だっただろうか。
小5の娘より低学年だった気はする。
一体何の話なのか?
よく分からないまま聞き流した。
しかし、どうゆうわけか私の記憶には
「あの鹿みたいなのは勇気しかくれない」
というフレーズだけが深く、長く、刻まれた。
そして数年に一度、突然思い出す。
「何故、勇気なのか」
今朝は、そのフレーズが駆け巡った日だった。
ドラえもんは、解決見込みの高いアイテムをすぐさまのび太に差し出す。一方、鹿みたいなのは勇気しかくれないという。
何故「勇気」なのか、ランドセル背負ったハナタレ小僧の私たちには難解だった。
そもそも、和美ちゃんは何を観てそう思ったのか、もう何十年も放ったらかしだった問いかけを紐解くしたことにした。
何故だかは分からない。
たまたま今日だっただけ。
でも偶発的な展開にも何か意味があるのだろう。
そう思うことにした。
手がかりは、「鹿」と「勇気」。
そして「アニメ」で「NHK」である。
迷宮入りしかけた謎は数秒足らずで解き放たれた。
Googleには頭が上がらない。
これだ!
和美ちゃんはこのアニメを観ていたんだ。
(C)NHK/NEP/手塚プロダクション
おい待てよ、鹿?じゃない!
てか、手塚先生の作品だったんだ!
色んな感情が一斉に湧いて出た。
「青いブリンク」…初めて知った。
手塚治虫先生の作品にも関わらず、40年近く対面する機会が無かったなんて。それも逆に凄いな。
和美ちゃんが、鹿みたいなの改め、青いブリンクが主人公に勇気をあげる場面に疑問を感じている時間、私は何をしていたんだろうか?まさか、「まいっちんぐマチコ先生」や「奇面組」を見てバカ笑いしていたのだろうか。
そっちも気になったが、無事にひとつのアニメに辿り着くことができた。
そして40年の時を経て、鹿みたいなのが勇気をくれる理由も腑に落ちた。
一歩踏み出す勇気やら決断。
人間やってる以上、おそらく死ぬまでには何万回もやってくる。知識やお金で解決できる事も多いけど、まずは行動に移す最初の一歩が必要だ。
大小あれ、決断を迫られた時、
常に「勇気」をもらえる。
これって最強なのかもしない。
そんな答え合わせができた朝でした。
「青いブリンク」知ってました?
手塚治虫先生の作品って普遍だなあ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。🦌