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こどもの日に、こどもの未来を憂う
先日、たまたまNHK(BS)で、衝撃的なドキュメンタリー映画の存在を知った。
『SNS-少女たちの10日間-』
オーディションで選ばれた3名の成人女優が「12歳の少女」という設定でSNSに登録し、スタジオに作られた子供部屋からSNSを通じて何が起こりうるかを10日間にわたって徹底検証した衝撃のドキュメンタリー映画である。
ドキュメンタリー映画『SNS-少女たちの10日間-』ポスタービジュアル - (c) 2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.
日頃から、SNSの持つ影響力については割とアンテナは張って生活しているので、プラス面もマイナス面も子どもにはしっかり伝えてきた。
「スマホは欲しいけど、SNSやLINEはいじめや事件に巻き込まれるからやらない。」
と豪語しながら、毎日タブレットを開きお気に入りのYouTubeをチェックする娘。
学校でもSNSやインターネットのリテラシーについて、児童に注意喚起する機会は確かに増えている。
しかし、小学生から中学生と親の手を離れるにつれ、理解しているつもりのネットリテラシーもどのように変貌するかは予測不能。
自分のように両親共々、情報セキュリティに携わってきた家庭なんてマイノリティだろう。
現に、娘のクラスには自称YouTuberのお友達がいたり、TikTokで可愛いって言われたと自慢する友達がいたり。親も同世代から一回り以上離れた世代もいるもんだから、警鐘にバラツキがあるのも致し方ない。
さて、映画の話に戻る。
見た目も幼く見える「12歳の設定」の女優さんが、部屋に設置されたPCを使ってSNSで友達を募集する。すると、2,458名の成人男性が彼女にコンタクトを取り、卑劣な誘いを仕掛けてくるのだ。
撮影中以下のようなルールが取り決められていた。
・自分からは連絡しない
・12歳であることをハッキリ告げる
・誘惑や挑発はしない
・露骨な性的指示は断る
・何度も頼まれた時のみ裸の写真を送る
・こちらから会う約束を持ちかけない
で、2,458名。
おぞましい。
私は実際観ていないのだが、映画館に足を運んだ知人曰く、ある程度は覚悟して構えていたが、いざ目の当たりにすると気持ち悪かったし、かなりエグかったと。
(あまり詳しく書くとネタバレにもなるので控えます)
映画はヨーロッパのチェコでのドキュメンタリーだが、日本でも同じような事は起こっているだろう。もしかしたらそれ以上かもしれない。
子どもたちのごく身近にあるスマホやタブレット。
使い方次第で善にも悪にもなるSNS。被害に遭うのは決して子どもだけではないが、無知ゆえ知らずして巻き込まれてしまう可能性が高いのは事実。
画面の向こうに潜み、エスカレートしていく大人たちの欲望。見えない魔の手から子どもたちを守ってあげられるのも我々大人の役目。
進学や進級を機に、スマホデビューさせた親御さんも多いだろう。「うちの子は大丈夫」もうそんな戯言は聞き飽きた。フィルタリング機能であっさり解決できる甘っちょろい問題ではない。
自分の子も含めて、無防備な子どもたちが被害に遭うことのないよう、社会の一員としてしっかり向き合っていこうと思う。
今日はこどもの日。
ひとりでも多くの子どもが、幸せを感じている世の中であってほしい。