蘭月

あきちかし 豊平吉木の夏結びおき小吉
ながささの鬼の釜じまひ そよと風
くれて鹿の鈴も哀しけれ のぼる月とて鏡なし
かくる千里の雲の陰から たれか石竹の露と散るらん

ひとつ夜の 舟ゆる波の かもめ唄なし
かもなくば 風もやむらめ 夜のしじまに

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