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大宇宙マルマゲドン

第1章:美しき丸髷の目覚め

ある地方都市の図書館の奥、ひっそりとした歴史資料のコーナー。
現代日本の女子高校生、天野みちるは、
何気なく本棚に手を伸ばし、一冊の古びた書物を取り出した。
江戸時代の女性の暮らしを記録した本だった。
ページをめくると、
そこには、しなやかに結い上げられた髪型の数々が並んでいた。
島田髷、勝山髷、そして——丸髷。
その瞬間、みちるの指が止まった。
ページの中央に描かれた丸髷の女性は、
穏やかな表情を浮かべ、凛とした気品をたたえていた。
長い黒髪が見事に結われ、
左右対称の美しさを持つ髷が、
頭頂にふわりと浮かぶように収められている。
飾り立てるでもなく、かといって簡素すぎることもない、
完璧なバランス。
その佇まいに、みちるは胸の奥がざわめくのを感じた。
「美しい……」
無意識に息をのんでいた。
単なる昔の髪型ではない。
それは、みちるにとって一つの完成形に見えた。
時代を超えて、確固たる意志と優雅さを持ち続けるこの形こそ、
自分が求めていたものではないのか。
みちるはしばらくの間、そのページから目を離せなかった。
まるでその女性が静かに語りかけてくるような錯覚を覚えた。
「あなたも、ここへいらっしゃい」と。

その夜、ベッドの中で彼女は何度も思い返していた。
今の自分は果たして美しいのか。
街を歩けば流行のファッションがあふれ、
SNSを開けば「これが今っぽい!」と押し付けられるように、
最新のヘアスタイルが並ぶ。
だけど、それらは流れていく。
今日の流行は、明日にはもう過去のものになってしまう。
でも、丸髷は違う。
江戸時代から脈々と受け継がれてきたその形は、
何百年も変わることなく存在し続けた。
そして今、みちるの目の前に現れた。
これは運命かもしれない。
いや、運命だ。
「やるしかない」
翌朝、みちるは意を決して髪をまとめた。
長年伸ばし続けていた髪は十分な長さがある。
手元のゴムとピンを駆使して、
少しでも理想に近づけようと慎重に結い上げた。
だが、いざ鏡を見ると不恰好だった。
丸みが足りない。
左右のバランスが悪い。
「まだまだだ……!」
失敗してもいい。
何度でも挑戦すればいい。
みちるは本を参考にしながら、結い直しを繰り返した。
時間をかけること数時間——ついに、鏡の中に理想の姿が映し出された。
シンプルなのに奥深い、静かなる美。
髪をまとめたことで、顔立ちまでもが引き締まったように見える。
どこか誇りを帯びた雰囲気すら漂っていた。
「これだ……!」
高鳴る鼓動を抑えながら、みちるは学校へ向かった。
自分が新しい世界へ足を踏み入れたことを実感しながら。
家を出ると、母親がちらりと彼女を見て言った。
「あら、珍しい髪型ね」
「うん。丸髷っていうの」
母は特に驚いた様子もなく、「ふーん」と頷いた。
朝食を作る手を止めることもなく、普段と変わらない様子だ。
妹も「なんか江戸っぽいね」と軽く言うだけで、
それ以上の関心を示さない。
家族にとっては、みちるの髪型など大した問題ではないのだ。
「まあ、個性って大事だよね」
父のそんな一言を背中で聞きながら、みちるは家を出た。
だが、彼女は、まだ知らなかった。
ここから先、自分が「丸髷の少女」として注目を浴び、
笑いの的になってしまうことを……。

第2章:笑われる日々と決意

学校の門をくぐった瞬間、
天野みちるは周囲の視線が自分に集中しているのを感じた。
登校する生徒たちの動きが一瞬止まり、ざわめきが広がる。
やがて、ささやき声が飛び交い始めた。
「え、なにあれ?」
「江戸時代からタイムスリップしてきたの?」
「コスプレ? いや、ガチ?」
まるでステージの上に立たされたような感覚だった。
だが、みちるは背筋を伸ばし、何事もないように昇降口へ向かう。
自分の美学を貫くのに、他人の目を気にする必要はない。
そう、彼女は決めていた。
しかし、教室に入ると状況はさらに悪化した。
「おはよー……って、え?」
「あんた何その髪型!」
クラスメイトの何人かが、驚いた顔を見合わせる。
そして、誰かがスマホを取り出した。
「ちょっと待って、写真撮っていい? マジで珍しいわ」
「やば、SNSに上げたらバズるんじゃね?」
数人がクスクス笑いながらスマホを構える。
パシャ、パシャというシャッター音が、みちるの耳に突き刺さる。
「何か言わないの?」と誰かが聞いた。
みちるは静かに答えた。
「これは私の美学だから」
その言葉に、教室は一瞬だけ静まり返った。
しかし、それが余計に笑いを誘ったのか、
次の瞬間には誰かが吹き出した。
「美学って……マジ?」
「すごいわ……いや、逆に尊敬する」
みちるは何も言わずに席についた。
笑われても、理解されなくても、自分の信じた美しさを貫く。
それが彼女の決めた道だった。
だが、状況はそれだけでは終わらなかった。
昼休みになると、教室だけでなく、
他のクラスにも彼女の髪型の噂が広まっていた。
「ねえ、見た? 丸髷の子」
「体育のジャージで丸髷って、ちょっとヤバくない?」
「うちのクラスの子、TikTokに上げてたよ」
どこへ行っても視線を感じる。
廊下を歩けば、すれ違う生徒が振り返り、クスクスと笑い合う。
体育の時間には、
ジャージ姿に丸髷というスタイルが特に目を引いたらしく、
先生までもが苦笑しながら言った。
「天野……もう少し、制服とのバランスを考えようか?」
みちるは表情を変えず、「いえ、大丈夫です」と答えた。
だが、その後ろで誰かが「頑固すぎ!」と笑っているのが聞こえた。
こうして、彼女の丸髷生活は「学校の変わり者」として定着していった。
ある日、放課後の帰り道。
駅へ向かう途中、前方から小さな子どもが歩いてくるのが見えた。
母親と手を繋ぎながら、無邪気な顔でこちらを見上げた。
そして——
「ママ、あの人、変なのー!」
はっきりとした声だった。
母親は慌てて子どもの口を押さえ、「こら!」と叱ったが、
子どもはまだきょとんとした顔をしている。
みちるの丸髷をじっと見つめ、「あれって、なに?」と聞いた。
母親は答えに困ったように言葉を濁しながら足早に立ち去った。
その場に取り残されたみちるの胸に、何かが突き刺さった。
今まで、どれだけ笑われても気にしないようにしてきた。
それは、世間が自分の美学を理解していないだけだと考えていたからだ。
けれど、純粋な目をした子どもに「変なの」と言われた瞬間、
ふいに現実が押し寄せてきた。
この世界では、丸髷の美しさは誰にも理解されない。
この星には、彼女の求める美は存在しない。
ならば——
みちるは、空を見上げた。
「私が、新しい世界を作るしかない」
青く広がる空の向こうに、まだ見ぬ宇宙が広がっている。
そこには、
誰にも邪魔されずに自分の美学を貫ける場所があるかもしれない。
「宇宙へ行こう」
心の奥で、確かな声が響いた。

第3章:丸髷宇宙計画、始動

「宇宙へ行こう」と決意したその日から、
天野みちるの人生は加速し始めた。
彼女の目的はただ一つ、
丸髷の美しさを心から愛し、尊ぶ者たちだけが暮らせる世界を作ること。
それには、志を同じくする仲間が必要だった。
そして、宇宙へ行くための手段も。
普通なら荒唐無稽な話として片付けられるだろう。
しかし、みちるには確信があった。
自分の美学は決して間違っていない。
ならば、この美を信じる人々も必ずいるはずだ。
まず、最初に目をつけたのは、丸髷の美しさに共鳴する女子たちだった。
彼女はSNSを活用し、江戸時代の髪型の魅力について発信し始めた。
現代のファッションとは異なる視点から、
丸髷の持つ優雅さ、造形の美しさ、
時代を超えて受け継がれる価値を語った。
すると、少しずつ「その考え、面白いかも」「私もやってみたい」と、
興味を持つ女子が増えていった。
やがて、数人の少女たちが丸髷を結い始め、
みちると行動を共にするようになった。
だが、それだけでは足りない。
次に彼女が探し始めたのは、丸髷女性を愛する男子たちだった。
彼らは最初、珍しいものを見る目でみちるの話を聞いていた。
しかし、彼女の情熱に触れるうちに、
「確かに、丸髷って上品でいいよな」「なんか、奥ゆかしさがある」と、
共感する者たちが現れた。
彼らはいつしか、丸髷の美しさを守る騎士のような立場となり、
みちるの計画を支える存在となっていく。
次に現れたのは「江戸文化を宇宙へ!」と熱意を持つ歴史マニアだった。
彼らは歴史を学ぶうちに、
「日本文化を未来にどう残すか?」という問題に関心を抱いていた。
そこへみちるの「丸髷の国を宇宙に作る」というビジョンが、
飛び込んできたのだ。
最初は突飛すぎる計画だと笑っていた彼らも、
みちるの真剣な瞳に引き込まれ、
「面白い!やる価値はあるかもしれない」と賛同するようになった。
だが、理想だけでは宇宙へは行けない。
資金が必要だった。
そんなとき、彼女のSNSに、
突然、ある人物からのメッセージが届いた。
「その計画、本気なら支援したい。」
送り主は、成功した若手実業家だった。

彼はもともと変わったプロジェクトを支援するのが趣味で、
「現代の価値観にとらわれない、新しい社会の構築」に、
興味を持っていた。
そして、みちるの計画に触れたとき、
「この発想には未来がある」と確信し、資金提供を申し出た。
こうして、みちるたちは宇宙船開発に着手することとなった。
資金がある。
志を同じくする者もいる。
あとは、技術だ。
ここで現れたのが、宇宙開発技術を持つ天才エンジニアたちだった。
彼らは、地球上の国家機関や大企業に属さない、
独自の宇宙開発を目指していた科学者たちだ。
既存の枠組みに縛られず、
新しい技術で宇宙への可能性を広げることを夢見ていた彼らにとって、
「丸髷のための王国を作る」という発想は、
最初こそ突飛に思えたものの、
「新しい文明をゼロから作る」という点において共鳴するものがあった。
こうして、みちるを中心に集まった者たちは、
前代未聞の計画「丸髷宇宙計画」を本格的に始動させた。
建造される宇宙船の名は、マルマゲドン号。
超短期間での開発が進められ、
最新鋭の推進技術、完全自給自足型の居住区、
さらには「宇宙にいながら和の生活を送る」ための、
環境設計まで施された。
船内には茶室、畳敷きの寝床、
そして何よりも、丸髷を結うための専用美容室が完備されていた。
すべてが準備された。
そして、ついに出発の日が訪れた。
発射台に立つ「マルマゲドン号」の前に、
丸髷を結った者たちだけが整列する。
彼らは、みちるのもとに集まり、
共にこの新たな世界を築くことを誓った仲間たちだった。
「私たちは、この地球では理解されなかった。
 でも、それは世界が狭すぎたから。
 だから、私たちは、新しい世界を作る!」
みちるの声が、静かに夜空に響く。
カウントダウンが始まる。
10、9、8……
クラスメイトたちが笑った日々も、先生の苦笑も、
通りすがりの子どもが指をさして笑ったことも、
すべてが遠い記憶になっていく。
3、2、1——発射!
轟音とともに、マルマゲドン号は宇宙へと飛び立った。
地球の引力を振り切り、新たな未来へ向かって。

第4章:丸髷王国の初代女王

宇宙船「マルマゲドン号」は、漆黒の宇宙を静かに進んでいた。
窓の外には、無限の星々が瞬き、地球とは違う、
新たな世界への道が広がっている。
「本当に、行けるのかな……?」 誰かが呟いた。
無重力の船内で、みちるはゆっくりと丸髷を整えた。
大丈夫、この道の先には、私たちの王国がある。
航行データを確認していたエンジニアが、突然、興奮した声を上げた。
「見つけた……理想の惑星だ!」
スクリーンに映し出されたのは、深い青の空と緑豊かな大地を持つ星。
酸素濃度、水の存在、すべてが完璧だった。
「私たちの……星?」 みちるの胸が高鳴る。
船はゆっくりと降下を始めた。
やがて、未知の大地へと足を踏み出す——。
ここが、私たちの新しい故郷だ。
目の前に広がるのは、理想の星だった。
マルマゲドン号が到着した星に、みちるたちは、丸髷惑星と名付けた。
その星は、地球と同じ重力を持ち、大気は透き通るほどに澄んでいた。
深い青の空には二つの小さな月が浮かび、風は穏やかに流れている。
遠くには緑豊かな大地と美しい湖が広がり、
山々は静かにその姿を見せていた。
酸素は充分にあり、水も豊富だった。
地球では丸髷を笑った者たちがいた。
しかし、この星では何もかもが丸髷を受け入れているように思えた。
「ここが……私たちの新しい世界……!」
みちるの目には涙が浮かんでいた。
仲間たちは歓声を上げた。
ここには、彼らを否定するものは何もなかった。
誰も「変だ」と言わない。
誰も笑わない。
ただ、彼らはありのままの自分でいられる。
彼らはまず、宇宙船の設備を活かしながら、王国の基盤を築いていった。
建築班は地球で培った技術を用いて和風建築の町並みを造り始めた。
畳の敷かれた家々、木造の橋、静かな庭園、
それはまるで、かつての日本の美しさをそのまま移したようだった。
それだけではない。
科学技術班は、この王国に最先端の科学技術を融合させた。
水を循環させ、気候を制御するシステムを導入し、
エネルギーは惑星に存在する鉱石から無限に供給されるよう設計された。
食糧も人工栽培施設によって安定供給され、
王国は完全なる自給自足を実現した。
丸髷王国、それは、歴史と未来が融合する理想の国だった。
そしてついに、建国の式典の日が訪れた。
王国の中心にそびえる宮殿の前。
全員が集まり、静かにその瞬間を待っていた。
みちるは、一歩ずつ、階段を登る。
目の前には、丸髷を結った者たちが立ち並んでいる。
彼らは誇り高く、何の迷いもなく、この世界の美しさを信じていた。
「私たちは、この星に来るまでに多くのことを経験しました。
 地球では、私たちの美しさは理解されませんでした。
 笑われ、指をさされ、変わり者扱いされました。
 でも、私たちは決して折れなかった。
 なぜなら、私たちの美学は、本物だから。」
彼女の言葉に、静寂が降りた。
「今、この場所に、私たちだけの世界があります。
 誰にも邪魔されず、誰にも否定されることなく、
 私たちの信じる美しさを讃えられる場所。
 これは、私たちが勝ち取った自由の象徴です!」
歓声が上がった。
「私は、ここに誓います。
 この王国を永遠に守ることを。
 丸髷の美しさを伝え続けることを。
 そして、どんな時代になろうとも、
 この世界が変わらぬ価値を持つことを!」
彼女は、両手を広げ、静かに言葉を紡いだ。
「私は、丸髷王国の初代女王——天野みちる!」
空が祝福するように、柔らかな光が差し込む。
二つの月が穏やかに輝くその下で、
全員がみちるに向かって深く頭を下げた。
その瞬間、みちるは思った。
——私は、間違っていなかった。
地球では理解されなかったかもしれない。
でも、自分が信じる美を貫いたことで、
こうして仲間たちとともに、新しい世界を築くことができた。
風が静かに吹く。
その中で、みちるは王国の人々を見渡しながら、微笑んだ。
私たちだけの、永遠の王国——
丸髷王国は、今、ここに誕生した。

第5章:丸髷の永遠の美しさ

マルマゲドン号が着陸してから数年。
丸髷惑星には、穏やかな時間が流れていた。
丸髷王国は着実に成長し、豊かな文明を築き上げた。
木々は生い茂り、畑は実りを与え、
湖には透明な水がたたえられている。
人々は日々の営みを楽しみながら、
伝統と新しさを融合させた生活を送っていた。
王宮の大広間では、初代女王・天野みちるが、静かに座していた。
彼女は、漆黒の丸髷を完璧に結い上げ、
気品に満ちた姿で王国を統治している。
「女王様、お茶をお持ちしました」
幼い少女が、両手で大切そうに茶器を運んでくる。
その髪は、小さな丸髷に結われていた。
みちるは微笑みながら、優しく受け取る。
「ありがとう。上手に運べたわね」
少女は嬉しそうに頷くと、
「女王様みたいに、私も立派な丸髷を結えるようになりたい」と言った。

その言葉を聞いた瞬間、みちるの胸が熱くなった。
丸髷は、ここでは美しいものとして受け入れられている。
地球では笑われ、奇異の目で見られた髪型が、
この惑星では「美の象徴」だった。

丸髷に誇りを持つ人々が生まれ、その文化を未来へとつないでいく。

やがて、時は流れた。
王国には新しい命が次々と生まれ、人々は家庭を築き、子を育てた。
みちるのもとにも伴侶が現れ、子供が生まれた。
そして、孫が生まれ、曾孫が生まれた。
子供たちは成長し、代々、丸髷を受け継いでいった。
「お母さん、どうして丸髷なの?」
「それはね、この星を作った女王様が、美しいと信じた髪型だからよ」
「本当に美しいよね!」
そんな会話が、王国の至るところで交わされるようになった。
それは、みちるが夢見た世界だった。
王国はさらに発展し、文化が根付き、歴史が紡がれていった。
人々は、詩を詠み、絵を描き、丸髷の美しさを称え続けた。

80年後——
初代女王・天野みちるは、年老いていた。
その背中はかつてよりも少し小さくなり、しわが増えた。
だが、彼女の髪は今もなお見事な丸髷を保っていた。
それは彼女が貫き続けた誇りの象徴だった。
ある日、みちるは一人で王宮を抜け出した。
彼女は静かに高台へと足を運んだ。
そこは、王国が一望できる場所だった。
眼下には、広大な丸髷王国が広がっていた。
美しく並ぶ和風の建物、行き交う人々、笑顔の子供たち——
そのすべてが、彼女が作り上げた世界だった。
みちるは、静かに息を吸い込み、目を閉じた。
私は、やり遂げた。
かつて地球で笑われた少女は、
この宇宙に新たな文明を生み出し、それを未来へとつないだ。
風が優しく吹く。
彼女の髪をなでるように。
みちるは、静かに微笑んだ。
そして、そのまま——そっと、目を閉じた。

みちるの人生が、穏やかに終わった。
夜が明けると、人々は高台に彼女の姿を見つけた。
王国中に静かな悲しみが広がったが、誰も涙は見せなかった。
なぜなら、みちるの顔は、とても満ち足りた表情をしていたから。
そして、王国の人々は誓った。
「初代女王の想いを、永遠に受け継いでいこう。」
その日から、王国の全ての建物には、
みちるの丸髷の紋章が刻まれるようになった。
そして、伝説が生まれた。
この星の夜空には、今もなお、美しい丸髷が輝いていると。


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