【北極冒険】Day26：2019.05.02

この日からAM3:00~の行動開始でした。
そして今日から３日間は大荒れです。昨日の日記は嵐の前の静けさでした。
ちゃんと物語らしく、ここからのラストスパートは怒涛の内容です。

歩き出し26日目、今日入れて残すところあと4日だ。2回目の島越えナビゲーションもあまりうまくいっていない。朝早すぎて頭と体がついていけてない。早朝もぼーっとしていたし、少し気分が悪かった。島越えナビゲーション中、先頭の歩く角度が10度ほど西にズレ始めていたのを気付けなかった。すると荻田さんからストップがかけられ、

「なんで誰も気づかないんだよ！？特にお前だよ！！」
と言いながら手に持っていたストックを俺に向けてぶん投げてきた。

一瞬で気持ちを切り替え、全員に声をかけて、カラ元気で明るく振る舞った。ただ、マジでキレそうだった。
いや、正直割りに合わなさすぎ。他のメンバー何も怒られへんやん。歩きながら「妄想デート」とか言ってるやつおるのに注意もされへんし。こっちは全員のスピード見ながら、メンバーの調子も確認しながらやって、少し気が抜けた瞬間にブチギレられて。

いいよな、おぐらくんとこっすー。ちょっとなんかやれば褒められるし、いいリアクションされるし。俺は必死にやって、やっと普通に会話ができて、気を抜いたらキレられる。島越えも少しでもずれたり間違えれば全員の前で呆れられて、ストップをかけられる。こっち（自分）のほうが正しければ、「ふーん」で終わり。もうほんま、朝の出発前ミーティングでもいちいち口出しされるし、なんかする度注意してくる。いや、おれやるなんて一言も言ってないけど、流れでやってるけど。

早く終わりたい、他のメンバーのミスでキレられるのも疲れたわ、我慢してたけど。仕事も一緒なんかな。はよ起業しよ。

恥ずかしい！！本当にこの日記、世に出していいのだろうか。マジで心の声漏れすぎているし、言い訳多すぎ。当たり前やろ！？って今なら思う。
このnote書くとき、「ここ、削っとこかな」って何回思ったことか笑
最後の文章も恥ずかしすぎるし、起業舐めんなよって思うし、ほんと恥ずかしい。

特にの「俺やるなんて言ってない」ってのはマジで一番恥ずかしい。
いや、ならお前でしゃばらずに大人しくしとけよ、いろいろ自分で動き出したのはお前やろ、って話ですよ。本当に、情けない。

ただ、当時の現地の西郷くんは、「日記の中だけ」では本音を言いたかったのかもしれない。特にこの日はいろいろ溜まってたのがブワーって出たのかもしれない。皆様(特に荻田さん)、暖かな寛大な御心をもってお許しください・・・。笑

西郷を見かねてフォローする荻田さんとサポートしてくれるメンバー


・・・ある意味、この記事を書くことが、過去の自分の行いに対しての禊なんだろうか。ここから下記は反省とともに、帰ってきて改めて感じたことを書きます。

まず、自分を振り返って、自分の無責任さの問題も大きいですが、

指示系統を理解できていなかったこと

が何より最大の問題だと反省しています。
そもそも、荻田さんが他のメンバーを怒るという状況が良くない。過去の日記でも書きましたが、荻田さんは「自然」に対して注意を払うべきであって、「ヒト」の管理にリソースを使ってはいけない。極地という状況で、隊全体が生き残るためにはメンバーのマネジメントは西郷で留めておかなくてはいけなかった。
故に、本来他のメンバーが「妄想デート」の話をしていたら、怒らないといけないのは俺だったということです。
荻田さんが俺だけを注意管理していたのは指示系統として、ごくごく当たり前の対応でした。それに気づいていない、当時のさいごうくん、反省しましょう。

はじめ犬どもはよく喧嘩をしたが、しまいには自分たちの繋がれている位置と、任務をよく理解するようになり、日が経つにつれ、人も犬もソリ行がすこぶるうまくなった。ソリのチームには先導犬(リーダー)がいて、尻込みしたり命令を聞かなかった組犬(メンバー)がいると、先導犬(リーダー)にひどくやっつけられるのである。だからチームの優劣は、先導犬(リーダー)の意思と能力に大いに左右された。

『エンデュランス号漂流記』　アーネスト・シャクルトン著　より

1914~1917年の出来事を綴った書籍の内要です。(名著of名著)
組織の話なんてのは遥か昔から、そして人も犬も変わらないようです。
僕はひどく才能のない先導犬だったようです。

この日記、メンバーや荻田さんが見たらどう思うんだろうな。できるだけこの感情は外に出さないようにしてたから、もしかしたら意外って思われるのかな。いづれにしても、恥ずかしい。

いよいよ物語も終盤です。そしてちゃんと物語らしく、ここから３日間くらいは怒涛の内容が待っています。今まではなんやったんやってくらい凝縮されてます。もう、この機会逃したら一生書けないので、最後まで書き切りたいと思います。

⬇️　5月2日撮影の写真　⬇️

この写真のとこくらい明るい写真たちで締めておこうと思います！！

この日は昼過ぎに行動が終わったので、夜ご飯が14時くらいでした。めちゃめちゃ天気良かった！

この重すぎるマスタードを僕の相方さんは担いでいました笑
北極で冷やし中華、このあとしっかり残さず全て食べ切りました。

旅を通して汚れてきたやかん、映り込む空が真っ青。

ごめん載せちゃった、笑
気温が０度近いともうこうなるよね笑

以上、明日からの日記もきつい！！！！笑

おわり