【北極冒険】Day17:2019.04.23
17日目。この日はナビゲーター1日目と言える日。Lv.1です。しょっぱなから全開でやらかします。
また、この日、今回の冒険の代表作のうちの1つとなる写真が撮れました
知らない人が見たら、「スッゲェ、カッコいい!!!」って写真で、
メンバー、主に前線部隊の人が見たら、「これね!!!」って写真です。
まずは日記。
歩きだし17日目。AMは天気がよく、暖かかった。今日も同じく自分たちで前を歩き、体を引っ張った。PM、ピレクトゥアック(*1下記参照)の横で休憩していた時、急に風が強くなった。ほとんどの人がパーカーで歩いてたので、急いでウェア変更。その後は少しペースを落として早めにキャンプ。ハドソンズ出慣れていただけあって、多少風が強くてもスムーズに立てることができた。
毎日の動作が日常になっている。
起きて、ドラゴンフライ(コンロ)つけて、朝食を食べ、靴を乾かし、テントをたたみ、ソリをパッキングする。1日に進む距離を確認する。歩いて、食べて、歩いて、飲んで、歩いて、歩いて、歩き終える。テントを立てて、荷物を投げ入れ、ドラゴンフライをつける。夕食を食べて、次の日の水筒をいっぱいにして、日記を書いて、荻田さんとミーティングして、歯を磨き、20時にねて、5時30分に起きる。あと何回できるだろう。今までの人生になかったこの日常。毎日精一杯楽しもう。明日は補給地点まで早く着けそうだ。早上がりして、しっかり休もう。寝たい。
日記後半にも書きましたが毎日のルーティンが心地よかったですね。その中でも少し変化があったのが、この日の朝から僕が朝のミーティングの進行を進めることに。内容は、前日に荻田さんのテントで確認した、
・今日の目標(どこまで進むのか、どれくらいの距離なのか)
・まずはどこを目指すのか(当面の目標物の共有)
・日程の確認(あとどれくらいで補給点なのか、とか)
を話します。
この朝のミーティング、柏倉さんカメラ回してるし、1回目物凄い緊張したのは覚えてる。なんかカッコつけてた気がするな笑
ただ、(この日だったか忘れましたが、)目標物を共有するときに
「まずは”あの島”を目指します。」(ストックで方向さしながら)
って言ったんですよね。そしたら荻田さんに
「みんなわかった?進む場所?わからないよね?」
「”あの”じゃわからねぇだろ、どの島か具体的に伝えてよ、ダメ。」
って朝イチからげきが飛びました。
おい、さいごうよ。お前は本当に社会人なのか?と疑いたくなりますよね。
めっちゃ反省しました、これ。
この日のことを、この旅の最後に思い出します・・・。
そして、冒頭にも話しましたが、この日この冒険の代表作が生まれます!
それがこの写真。撮影者は柏倉さん・・・ではなく、なんとりょうくん!
(Photo by Ryo Hanaoka)
めちゃかっこいいですよね。
舞い散る雪と、隊のメンバー越しのピレクトゥアック。完璧だよ。
そしてなんと、こちらの写真・・・
International Photography Awards 2019というところで、
**Honolable Mention **受賞しちゃってるんっですよね。
■International Photography Awards 2019
https://www.photoawards.com/winner/zoom.php?eid=8-176998-19
■りょうくんのHP
https://ryohanaoka.wixsite.com/photograph/profile
いやいや、マジですごいよりょうくん!!
プロやん、これはもう、普通に尊敬。
ただ、この写真が受賞したと聞いたときは少し複雑でした。
その理由を説明しましょう。
この日の1つの進行指標だったピレクトゥアック島。
地図的にはここですね。”Pilektuak island”。
確か現地の言葉で”三角島”みたいな名前だったと思う。
左の「The・三角島」みたいな、やつありますよね。
画面中央、右側の山肌が雪がなくなって黒く見えている山がそうです。
あれを左手に見ながら、写真右から1つ目の水平線上にある平べったい山の間を通り抜けるのがこの日のコースでした。
このちょうど、ピレクトゥアックに近づいてきたのが午後すぎくらいだったのですが、それまではこの日ほぼ無風でめちゃくちゃ暑かったんです。
暑いとみんな結構薄着になります。(一応気温はマイナスです。)
後ろにピレクトゥアック見えてますが、荻田さんもパーカーで、アウターはソリの中です。中には腕まくりする人や、パーカーすら脱ぐ人もいます。本当に汗びっしょりで、とてもマイナス気温とは思えないほどです。ただ、汗かきすぎると、濡れて結局凍傷になるので汗が出ないようにするのも重要なウェア調整です。
この日は午前中無風だったので日差しの照り返しで暑かったんですよね。
そんで、ピレクトゥアック近くまできて、みんなで暑い暑いいいながらたっぷり水飲んで休憩したあと、再出発。その2〜3分後、急に風が強くなりました。りょうくんはピレクトゥアック越しの隊をとるために、その場に残ってみんなを撮ってました。急に冷えたな、と思いつつも、さっき休憩したばっかりで、その時ウェア調整もしてたので、そのまま進もうとしました。
「ストップ〜!!!おい!止まれ!!先頭止まれって!!!!!」
荻田さんの声が響きました。
「今、強い風吹いてきたよな、なんでとまならないの?凍傷なっちゃうよ!?ちゃんとウェア調整はしっかりして、みんなのことちゃんと考えて!!」
汗かいたあと、みんな薄着、ここは北極。油断したらすぐに凍傷になります。自然は刻一刻と変化します。別に僕たちの休憩に合わせて風の強さとか変えたりしてくれません。あのまま行けば、自分は我慢できても、後ろの人は凍えてたかもしれない。自分も凍傷になってたかもしれない。
ウェア調整後の荻田さん、さっきの写真とはまるで装備が違います。ほんの数分でもこれくらいする必要があります。
最優先すべきは、安全。
その日の目標とか、休憩のタイミングとか、そんなのは2の次3の次です。
当たり前のことも、目の前の「地図をみる」ことに一生懸命な僕は気づけませんでした。本当、お恥ずかしい限りですね。
初日でいきなりダメダメナビゲーター。
この先が思いやられます。
⬇️ 4月23日撮影の写真 ⬇️
たまにはこんなすげえ現象も見れます。
この日のキャンプ。これ、夕陽です。20時すぎてたと思います。
この時間でもめっちゃ明るい。おかげでテント内があったまる。
でも、空晴れてるな、夜中と翌朝は寒かったんだろうな。
おわり
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