取材◆八尾⑥2024/09/30
八尾空港の取材2日目。
前回は街を歩き回っただけで、どんな飛行機が来るのか理解しきれなかったので再度挑戦だ。
まずは八尾駅に向かい、LINOASで掲示中の秋のビジュアルを撮影した。ついでにLEAFやLOFT、無印良品、ユニクロなどを冷やかして、バスで八尾空港へ向かう。
近鉄八尾駅前から藤井寺駅行きのバスに乗ると、30分ほどで空港の最寄りのバス停へ着く。14:35発、太陽はそんなに出ていないがじりじりと暑い。
お腹が空いていなかったためLINOASではごはんを食べず、かといって八尾空港の近くでは17:00以降しか飲食店が開かないため、今日も八尾でごはんを食べる機会は無いかなと残念に思いながらバスに揺られた。
近鉄バスは、いつも乗っている阪急バスと作りはほぼ同じだが、新しい車体のようで若干デザインが違い、手すりも握りやすい。
バスはずっと街中を通る。
JR八尾駅を初めて見た。大きな商業施設は無いものの、こちらも商店が多く賑わった印象だ。建物は古いものが多いが、昔ながらの看板が並んでいて重厚感がある。
八尾空港の最寄りのバス停「八尾空港前」で降りた。
スマホのMapで現在地を確認する。滑走路へ向かう途中で、早速一機が飛び立って行った。この間家でクロッキーした機体だ。
前回よりも日が陰っていて涼しい。工場の音も、今日は静かな印象だ。
滑走路の先端にひらけた場所があり、そこでしばし待つことにした。周りは工場ばかりで、時々人が行き交い恥ずかしい。年齢的にも性別的にも、「他所の人」感をひしひしと感じる。できるだけ往来の邪魔にならない、かつ目立たない場所で身を縮めて待った。
頻繁に飛行機の着陸があるわけではないため、待ち時間が結構ある。感覚としては、15分後に来るバスを携帯をいじりながら待っているのに近い。今日はもう既にネットで検索してもあまり見られない飛行機のお腹の部分が見れたのでミッション完了ということにし、今は取材の余剰ゾーンなのだというスタンスで待つ。
太陽が出てきてジリジリと暑い。日傘を差しながら、持ってきた本を読もうとしたが、手は2本しかないので大変だ。そんな時に飛行機が来ると阿修羅像のようになって焦る。
ひらけた場所は草木が多く虫が飛んできて怖いので、滑走路沿いの道へ移動した。
目を凝らすと、向こうに小型の飛行機がたくさん並んでいるのが見える。前に向かってツンと上がっているところや、尻尾の形が魚に似ているなと思った。川底の魚がじっと整列しているような光景にも見える。
飛行機はお尻のてっぺんが光っている。動くとモーターカーのような音がして、時々バイクが通ると飛行機が来たかと思って振り向いてしまう。
小型機でも、みんなそれぞれ窓や形が違った。潜水艦の涙滴形のように、飛行機にもベストな形があるはずなので、後で調べようと思う。
道沿いで立っているので、後ろではバイクと自転車の往来がそこそこある。タンクトップの半パンで自転車に乗ったお兄さんが、イヤホンで電話をしているのか「ちょ俺生まれつきやからさ、色白なんは遺伝やで」と言いながら通り過ぎていった。生まれつきの色白、羨ましいかぎりである。同じく自転車で、子供を乗せたお母さんが歌いながら駆けていった。元気な街だ。
ふと鼻がむず痒くなってくしゃみをした。立ちっぱなしで固まった腰骨に衝撃が走りヒヤリとする。歳をとるとくしゃみも命懸けだ。
少しずつお腹が空いてきた。ある程度飛行機も見れたので、そろそろ帰ることにする。駅は夕日が落ちる方向にあるため、日傘を盾のように前にかざしながら歩いた。近くの工場の誰かが置いたのか、道端に雪だるまがいて可愛かった。