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【一日一捨】 Kindle端末

初めて買ったKindle端末は、ページをめくる操作に若干のストレスはあったものの、paperwhiteは目にも優しく、読書がとても捗った。特に漫画を読むには最適で、続きが気になればその場でポチッと次の巻が買える。基本、小説や好きな作家の本は紙で揃えたい派なのだけど、巻数の多い漫画は紙で買っているとあっという間に本棚がいっぱいになる。Kindleだと端末ひとつですむ。
ちょっと気になるベストセラーや新書なんかを買うにも都合がいい。リアル書店に平積みされたベストセラー本や賞を取って話題になった本なんかはレジに持って行くのは、なんかちょっと恥ずかしい。

気軽にぽちぽちと買った漫画の中に、当時まだ2巻くらいまでしか出ていなかった『ダンジョン飯』があった。めちゃくちゃ面白くて、彼女に興奮して語ってたら、「読みたい。貸して」と言われた。

紙の本なら気軽に貸せるけど、Kindleだ。
貸すなら、端末ごと貸すことになる。当然、中に入ってるのは『ダンジョン飯』だけではない。他にも買ったたくさんの漫画や小説。本棚をまるごと貸すようなものだ。いや、本棚ならまだいいけど、Kindleは普段買わないような本も手軽さでつい買ってしまってる。そういうの全部見られるのは、リアル本棚を見られるよりも恥ずかしい。ちょっと躊躇したけど、とりあえずHな漫画などは買ってなかったので、まあいいかと一週間、彼女に貸した。

翌週、彼女はニヤニヤしながらKindle端末を返しに来た。
「ダンジョン飯は面白かったよ。でも、他にもいろいろライブラリに入ってるのも見ちゃった。そっちの方が面白かった。へえ、こういうの読むんだって」
ちょっと意地悪そうに彼女は笑った。
いったい何を見られたのか。見られてそこまで恥ずかしい本はなかった筈……と思いながら端末画面を確認すれば、一番トップにゲッターズの占い本があった。そういえば年末、仕事場で話題になっていて買ってみたんだった。これは結構、恥ずかしい。普段、占いなんて気にするそぶりも見せてなかったのに。
ゲッターズの占いには、『今年の夏は恋愛運が低下』と書かれていた。
彼女にKindle端末を貸したことが原因かどうかわからないけど、結局、ゲッターズは的中し、秋には彼女と別れた。
最近はKindleはipadで読むようになった。捨てる。

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