春に飛んだタンポポの種はいつ発芽するのか。
農業のための生物季節観察ネットワークを呼びかけていこうと思ってから、色々な生き物の生活についても学ぼうと考えるようになりました。
タンポポがいつ咲いた、セミがいつ鳴いたと記録する事も、そうした記録を野菜の生育予測に役立てる事も大事ですが、
そもそもそういう生き物達はどう暮らしているのか学ぶ事も大切な気がします。
それに、そうした生き物達の暮らし方を理解することは観察結果から野菜の生育を予測することにも役立つかもしれません。
まず、タンポポってそもそも冬は枯れるものなのか?
畑のタンポポを見ながら、前回考えてみました。
タンポポは冬越しするの
どうやら冬越しするようです。
では、タンポポって1年をどう過ごしているんでしょうか。
読んでみたのが、「種生物学研究」と言う学会誌にあった「タンポポの発芽習性と生活環の調節」と言う論文です。
まず、冒頭からびっくりしました。
「日本には 20 種以上のタンポポ属植物が生育」
え?、タンポポの仲間ってそんなに種類があるの?
驚きです。
続いて、「カントウタンポポは年 1 回 春に種子を生産するが ,発
芽期は初夏、秋,早春と周年的である」
これまた、ビックリです。
春に出来たタンポポの種は、夏に発芽しないで、秋とか翌春に芽生える事もあると言うのです。
もっとも、これは在来種のカントウタンポポの場合らしく、
「春季に採種・播種したセイヨウタンポポは図3 −bに示す通り,播種後2週間で発芽を ほとんど完了してしまった」
どうやら、帰化種のセイヨウタンポポはすぐに発芽してくるようです。
身近にあるタンポポですが、知らない事だらけですね。