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贈与論的世界は現代に再現できるか?
以前に菜園起業相談に来た人が、SNSにこんな投稿をしていました。
フォロワー増やして家庭菜園の生産過剰を送り”評価”を稼ぐ
評価で物品を送ってもらう
要は”農産物パッサー”に帰結していくんだが
この人は、農産物をほしいと言う人に送ってあげる「パッサー」と言う活動をしています。そして、その活動を事業化していく事で「評価経済」を実現できないかと考えているわけです。
この投稿を読んで、僕は、このnoteでも取り上げてきたマルセル・モースの「贈与論」を思い出しました。
まさに、贈与とお返しの世界、それがパッサーのような評価経済型の事業なんだと思います。
では、そういう事業は成り立つのでしょうか?
モースは贈与論の中でメラネシア地域での「クラ」と言う取引体系を取り上げています。
クラの中で最も広範囲で厳粛で高尚で競争の最も激しい形態のクラは、海上遠征を伴うものであり、これはウヴァラクラと言われる。
よそを訪問した部族が、翌年に訪問を受けてくれた部族の船団を迎える時には利息をつけてお返しの贈り物をするのである。
「贈与論」が描いている世界では、人と人が直接ふれあって、モノをやり取りしています。
パッサーの活動を事業化していくためには、何らかの出会いの場を作ったらいいんじゃないか、僕はそう思いました。