備中鍬を使った10メートル畝の除草&畝立て、作業時間1時間を切る
野菜を植えるために帯状に土を盛り上げたものを「畝(ウネ)」と言います。
畝づくりは、野菜栽培の基本です。トマトだろうが、ホウレンソウだろうが、大根だろうが、「畝」を作って植えたり、種まきしたりします。
畝作りは、野球のキャッチボールとか水泳のバタ足、息継ぎみたいなもので、野菜栽培の「基本動作」です。
ちゃんと畝づくりが出来るようになると、割りといろいろな野菜の栽培に挑戦できるようになります。
トマトの育て方とか、ホウレンソウの育て方とか、個々の野菜の育て方は畝づくりが出来るようになってから覚えていけばよいのです。
(この順番を逆にするのは、キャッチボールが出来ないのに、変化球の投げ方を覚えようとするようなものです。
基本動作と「応用編」の習得は、基本動作を先にすべきです。
さて、畝を作ろうとする場所に草が生えていると、畝づくりに苦労します。畝を作るためには、平鍬や犂を動かして、地面を耕し、土を盛り上げていくい必要があります。
草が生えていると、草の根が絡むため、平鍬や犂がスラスラと動きません。そこで登場するのが備中鍬です。
備中鍬は3-4本の「爪」がある鍬です。備中鍬を振るうと爪が地面に刺さります。爪が刺さった状態から、そのまま、備中鍬を引き上げると、草の根ごと土が掘り起こされます。こうすると、草の根が切られ、平鍬や犂を使って土を盛り上げる作業が、簡単にできるようになります。
しかし、問題があります。
備中鍬で草の根ごと土を掘り起こす際、手首やヒジにかなりの負担がかかる事です。
この点を改善しながら、できる限り早く畝を作る方法を、この間、追求してきました。
今回、試してみたのは、地面に2本の紐を60センチの間隔で張る方法です。
2本の紐の両側を備中鍬で掘っていきます。この際、いくつか注意点があります。
一つは、例えば、右側の紐の右側だけを掘り進めると言ったような事、つまり、一筋に掘ることをしないことです。
一筋に掘ろうとすると、掘り起こした場所の草の根は、その真横にある草の根と絡みあっているため、力を使うことになり、手首やヒジに負担がかかります。
ある場所、例えば、右側の紐の右側のある一点に向かって備中鍬を振るい、地面に「爪」が刺さったなら、そのまま、草の根ごと掘り起こすのでなく、いったん、鍬の柄を自分の体と反対向きに押します。
掘り起こし動作の場合、鍬の柄は自分の体の側に引くことになります。この際に手首やヒジに負担がかかるわけです。
反対向きに押すと、若干草の根が「浮く」ような感じになり、根の一部が土から「切れ」て、「根を張っている」状態が少しなくなります。
こうしてから、土を掘り起こさず、「爪」を土から抜くような感じで鍬を動かします。そこで今度は、右側の紐の左側、つまり、今、少し根を浮かせることに成功した位置の、すぐ真横の地面に向かって、備中鍬を振るいます。
「爪」が土に刺さったら、また自分の体と反対向きに柄を押すのは同じです。
このようにすると、絡み合っている草の根が全体に「浮いて」きます。
場合によっては、少し体の角度を変えて、2-3度、土に向かって鍬を振るい、その都度、自分の体と反対向きに柄を押します。
このようにすると、あまり手首やヒジに負担をかけずに、絡み合っていた草の根が「切れて」きます。
こうして、2本の紐の両側を耕しながら、平鍬を使うように後方に動きつつ備中鍬を振るっていくと、だいたい80センチ程度の幅で「帯状」にくさの根が切れた状態となります。
こうしておいてから平鍬や犂を使うと、容易に土が掘り起こされ、土を盛り上げていくことができます。
昨日は、細かい一つ一つの動作について、ちょっと試行錯誤しながらやってみましたが、40分~50分程度で10メートルの「畝」を作ることに成功しました。
長さ10メートルの畝を作るのに1時間、できれば30分程度で行えるのが望ましいと考えています。
昨日の結果は、習熟すれば40分以内ぐらいに出来る可能性を示しました。作業方法について、一層の改善をしていきたいと思っています。
2週間予報は、3月下旬、雨がちになるが、気温は例年より高いと言う傾向を示しています。
ブロッコリーの種まきなどをしたいと思います。