いろいろなやり方を体験してもらう菜園起業大学・野菜栽培基礎講習
この春から菜園起業大学の野菜栽培基礎講習を二人の方が受講しています。
と言っても、野菜栽培基礎講習は、「自動車教習方式」で1年のうちいつからでも始められます。新年度からの受講する人が「偶然」2人いたと言うだけの事ですが…。
さて、野菜栽培基礎講習は、毎回、「畝立て」や「種まき」のような基本操作を単元として行います。
自動車教習が「坂道発進」とか「縦列駐車」を単元として行うのと同じようなものです。
年間を通じて栽培を続けるわけではないので、定期的に通う必要はなく、「自分のペース」で受講する事が出来ます。
ただ、例えば、「種まき」の単元でも「畝立て」をして種をまいてもらっていますし、「畝立て」の単元でも畝を立てた後、「種まき」はしてもらっています。
ですから、「畝立て」や「種まき」のような基本操作は、何回かの講習で「反復練習」することが出来ます。
その際、少しづつやり方を変えて、いろいろな方法を体験してもらっています。
前回、「普通(?)」に畝立てをしてもらったのですが、今回は、平鍬と備中鍬、両方を使ってもらいました。
「犂」を使ってもらったこともあります。
道具によって同じ「畝立て」でも、少しづつ、「やり方」が違うこと、いろいろな「やり方」はあるが、野菜を植える場所として、土を盛り上げ、畝を作ると言う作業と言う点には変わりがないこと、
そういう事を理解してもらっているわけです。
さて、平鍬と備中鍬を使ってもらった事で、備中鍬の方が深く耕せる、ただ、土に深く刺さる分だけ、「疲れる」事になる、備中鍬ではなかなか平鍬のように「サクッ、サクッ」と耕し続ける事ができないと言った事を体験してもらいました。
耕した後、畝の形を作りましたが、今回はマルチを張ることにしました。前回はマルチを張らないで種まきをしてもらっています。
マルチを見せながら、「これは9515と言う規格、最初の9が90cm幅、次の5が5列に穴が開いていると言う意味、最後の15が15cm間隔で穴が開いていると言う意味」と、実際にマルチに定規をあてがいながら説明しました。
マルチを張らない場合、作業性が悪くなるなどの理由で極端に幅が広い畝を作らないと言う事はあるが、特に幅そのものに制約はない、
マルチを張る場合、穴が開いている部分があり、その幅が決まっている、穴が開いている部分の外に「裾」があり、そこを土で埋めて固定する、
このため、マルチの規格に応じて、必然的に畝の幅が決まってくると言ったことを説明しました。
また、今回は前回やらなかった作業として「鎮圧」をしました。
「鎮圧」は、地下水が毛管現象によってにじみ上がりやすくするため、耕して柔らかくなった土を少し抑える作業です。
タイヤを転がしたり、畝の上を歩いたりして行います。
これも、受講生に、タイヤを転がす方法、畝の上を歩く方法の両方をやってもらいました。また、農家によっては、昔の土のテニスコートを均すローラーみたいなのを手作りしている場合もあると説明しました。
そして、マルチを張らない場合は、畝を作った後、鎮圧する、マルチを張る場合、マルチを張ってからだと鎮圧出来ないので、張る前に鎮圧すると言った手順についても説明しました。
こうしていろいろなやり方を体験してもらい、畝づくりの方法にも様々な種類があること、農家や農園によって独自の方法を取っている例があること、やり方に応じて、畝の幅や手順などに違いが生じてくることなどを理解してもらいました。
マルチを張る事については、「被覆」と言う単元があります。
前回、畝立ての単元で、寒冷紗のトンネルを作ってもらいました。今回の種まき単元でマルチを張ってもらっています。「被覆」の単元で、また別の方法を体験してもらい、資材による被覆の種類や方法について、複数の方法を学んでもらおうと思っています。
全体として、「畝立て」、「種まき」、「被覆」、「土寄せ」などの基本操作を何回かは反復練習できるようにしています。
菜園起業大学の野菜栽培基礎講習は、こうした形で進んでいます。
昨日は最高気温29℃と例年に比べかなり暑くなりました。
今日は一転して雨です。
今後、2週間で雨が降らない日は3日しかないという予報です。
これは「一足早い梅雨の走り」とみるべきでしょうか?
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