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叢生の草と匍匐性の草、背が高くなる夏草のこと他
植物の葉に太陽の光があたり、一部は吸収され、一部は下に透けていく場合、
入ってくる光の強さI(0)と透けていく光の強さI(1)は対数比例します。
-log(I(1)/I(0)) = kcl ・・・ (1)
これを「ランバート・ベールの法則」と言います。
式(1)の「=」の右側の「k」は、比例係数です。
平たく言うと、入ってくる光と透けていく光の強さの割合は、多い場合と少ない場合がある、
もっと平たく言うと、植物の種類によって、入ってくる光がどの程度透けていくかは違うと言う事です。
葉の幅が広ければ、それだけ下に透けていく光は少なくなるでしょう。
葉が細長ければ、下に透けていく光は多くなります。
出来るだけ高い位置で広くて大きな葉をビッシリ生やす事ができれば、日の光を独占できます。
しかし、高い位置に広くて大きな葉をビッシリ生やすためには、しっかりした茎を作らなければなりません。
茎がしっかりしていないと途中で「ヘコッ」となっていまうからです。
茎をしっかりさせるためには、光合成産物を「茎」を育てるために使わなければならないので、その分「葉」に回す分が減ります。
せっかく高い位置に葉を茂らすために太くしっかりした背の高い「茎」を作っても、葉を茂らせるために使える光合成産物が限られてしまうのです。
そして、どちらかと言うと太くしっかりした背の高い茎を作っていこうと言う方向に進化したのが「木」で、地表付近で葉を茂らせる方向に進化したのが「草」と言うことのようです。
畑でいろいろな草を見ていると、それぞれに「生き方」の違いを感じます。
ホダカイヌビユとかシロザは、夏場、背が高くなります。これらの草を刈ってみると、株元には他の草がほとんど生えていなかったり、生えていても蒸れてしまって腐りかけているような状態になっているのを見かけます。
背が高くなる夏草は、草の仲間の中では比較的「しっかりした茎」を作る方向に進化した種類なのでしょう。
他方、ヒメオドリコソウとかツメクサとかオオイヌノフグリのような春草はあまり背が高くならず、茂っても50cmぐらいの高さです。シロザやホナガイヌビユに比べると茎は細く、高く直立した状態になりません。ツメクサの茎の長さはかなり長いと思いますが、地面に這うような感じで茂っていきます。
これらの春草は、夏場の背が高い草が登場するより早く茂ります。そして、5月頃から枯れだし、6-7月頃にはなくなっていくようです。
夏草に日光の吸収を妨害される前に茂って花を咲かせ種をつけ、次世代を作ると言うパターンで生きているように見えます。
春草に覆われた場所でネギはあまり蒸れません。ネギが蒸れて駄目になってしまうのは、夏場、メヒシバのような叢性+匍匐性の草に覆われた時のようです。
他方、畝間に繁茂したツメクサなどの間にあるジャガイモは、日の光を求めて「ヒョロヒョロ」と言う感じで茎を伸ばし、ツメクサを取って数日経つと、茎がしっかりとしてきます。
ツメクサのような春雑草に覆われた中にあったチンゲン菜は、覆われていない場所にあるチンゲン菜に比べて、トウ立ちが遅く、小白菜の名にふさわしいような「玉」をまいた感じの姿になりました。
こうしてみると、植物の種類によって、葉の下に透けていく光の量も違う、また同じように繁茂している雑草の中でも野菜の種類によって育ち方(育ち方の妨げられ方)も違うと言うことが分かります。
この辺のところをよく観察していくと、野菜の生長を妨害しないような「雑草の生やし方」が分かってくるのではないかと思います。
そういう雑草の生やし方を見出して、手間のかからない農業の方法を追求するのが「たんぽぽ農法」です。
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最高気温30℃超えの日が2日続いた後、雨の日となりました。それでも平年より2℃程度高めの状態だったようです。
気温だけでなく、海水温も高いのだとすると、海面から水分が活発に蒸発し雨雲ができやすいと言えます。
別な見方をすると水分の蒸発は気化熱を生じ、海水温を下げます。すると、それ以上雨雲はできにくくなります。
2020年代は1980年代に比べ冬から春の最高気温水準が1-4℃高めです。
5月もそうした「高温化」状態が基底にあるとすると、海水温が高いので、今の時季に雨が降りやすい、雨が降ると海水温が下がり、それ以上降りにくくなる、
晴れると日射が強烈になるので、海水温が上がりやすくなる、すると、雨雲が急激に出来てくる・・・
今の時季の多雨、予想されている空梅雨と梅雨期の台風発生、梅雨末期の集中豪雨等は、このように2020年代、特に今年の「高温化」状態から説明することができるかもしれません。