【日本語能力試験JLPT】公開問題を解けば、ノンネイティブ最高峰N1ホルダーの凄さがわかる
まずはこの問題を解いてほしい。
日本語ノンネイティブが受験する日本語試験の最高峰レベルの問題の一部だ。果たして、日本人のあなたは何問正解できるだろうか。
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ぼくの妻はフィリピン人。子どもの教育のため日本に移住することに決めたとき、はじめて日本語の学習を始めた。
多くの外国人にとって、日本語は学習の難しい言語だと聞く。漢字を書くのも読むのも複雑すぎて、漢字圏以外の方にはとっつきづらい。
KurosawaとかZenとかAnimeとか、日本文化全般に特に思い入れがない外国人(ぼくの妻のこと)なら、なおさらそうだろう。
(※これ言うといつも驚かれるけど、日本に住む外国人、みんながみんな日本大好きってわけじゃない。「Youは何しに日本へ?」ってテレビ番組あるけど、何ってあんたらと同じ生活のためだよ。って外国人もいる。)
例えば、ぼくたちが今日からミミズが這ったようなアラビア語勉強してと言われたら天を仰ぐしかないのと同様、日本語学習にも何かマイルストーンがないと、取っ掛かりが掴めないのは同様だ。
いきなり大洋に漕ぎ出すから溺れてしまうのだ。制限のある場所、例えば小さなプールで水に慣れてから、どんどん深いプールに移ればいい。
そう、語彙や文法、発話速度やイントネーションに制限のある資格試験で、段階的に学習すればいいのだ。
ぼくが取っ掛かりのない英語学習を「TOEIC」や「英検」という英語資格を基準にして進めていったように、日本語学習の世界にもメジャーな資格がある。
それが「日本語能力試験」、通称JLPTだ。
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JLPTを簡単に説明すれば、外国人の日本語の運用能力を試す試験であり、年2回、日本と海外の主要都市で実施されている。
(※昨今のコロナ事情により、前回試験は中止になったとのこと。)
問われる内容は読解(リーディング)と聴解(リスニング)。読解は日本語の文章を構成する文字、つまり漢字の読み方から運用上の文法知識、聴解はそれら文章が日本語ネイティブ・スピーカーの録音音声で試される。
日本語の運用能力は、級による区分で評価され、入門者レベルのN5から最高峰N1レベルまで用意されている。
取得級によって、公的機関での申請に優遇があったり、日系企業への就職で有利になる点も、TOEICや英検に似ている。
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嬉しいことに、JLPTの公式サイトでは参考問題が公開されており、読解と聴解を体験することが可能だ。
例えば、妻の目指しているN5レベルは下記リンク先で試せる。小学校低学年レベルだろうか、義務教育をクリアした日本人なら余裕で全問正解できるだろう。
そして冒頭の問題が、実はノンネイティブ最高峰のN1レベルの公開問題なのだ。普段から文章を読まない人だと、日本人でも正解し続けることは難しいかもしれない。
ぼくは過去2人、N1ホルダー(ともに韓国人)に出会ったことがあるが、「ほぼ」日本人だった。
ぼくたちと同じように日本語で仕事して、話す言葉だけでなく、書く文章もほぼ日本語ネイティブレベルだった。
もちろん若干の言葉の詰まりや、表現に不自然さを感じることはあるが、気にしなければほとんど気にならないレベルだった。
人間は飽くなき学習によって、ここまで自分を変えることができるのだと尊敬した。
(※ちなみに2人ともJ-POPが好きで、そこから日本語学習が始まったと言っていた。英語同様、好きなものがある学習者は強い。)
彼らが仕事でも問題なく日本語を使えていることに、N1取得は確実に寄与していると思う。
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資格試験は形に見えるのも良い。
N1までいかなくても、妻も(楽しみながら)日本語学習を継続してN4まで取得してくれたら嬉しい。ぼくもいつか妻の母国語を学習するから。(その前に英語学習したい…)