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子育てと料理は似ている

手塩にかけることは
手をかけすぎることではない。
そのもの本来の持ち味を見極め
いちばんいい形で引き出すために
最善のことをしたら
あとは自然にまかせるだけ。
鰯を鯛に変えることはできないし
みそを3日で作ることはできない。

子どもは大人のミニチュアではない。
光と水、空気を吸って草木が伸びていくように自分の力で成長していく。
大人にできることは
良い土になること。
役目を終えた葉が土に混ざって
次の新芽を育てるように。

見つめること。
受け入れること。
相手の身になって考えること。
子育ては世界と関わる第一歩。

小さなものに敬意を払い
目線を合わせると
見えなかったものが見えてくる。
自分がどんなに
偏ったところから世界を眺めていたか。
小さなもの、動かないものに
気づかず過ごしてきたか。
自分ひとりの力で
なんとかなると思ってきたか。

子どもたちが歩いていく世界は
私たちが見ることのできない世界。
私たちの今が、未来を作る。
ちっぽけな自分がこの世界にいる意味。
この世界を次の世界につないでいく
かけがえのない鎖のひとつである意味。

子どもたちのリュックを愛と信頼で満たし
知恵という地図を持たせ
希望のコンパスを渡せるように。
この世界が少しでも
今より美しいものになるように。
子どもたちが振り返ったとき
『大丈夫だよ』と言える大人になるように。

まず
自分自身に
『大丈夫だよ』と言える
自分であるために。

開いたばかりの瞳の碧は
天上の光を映す海の底。
固く握った小さな手のひらに
無垢なる力と
すべての幸せをたくわえて。

だいぶ昔に読んだリンカランという雑誌に載っていた根本きこさんの詩。素敵なのでシェアします。


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