バカでも分かるカジノ問題 -IR編-
カジノと言えば大阪で大阪維新の会が誘致を目指し、先の選挙でも話題になった。
「大阪でカジノ作るってまた昔みたいに失敗するんじゃないの?」
「ギャンブル依存症が増えるんじゃない?」
「利権があるんじゃないの!?」
などなど、色々疑問に思うことがあると思うのである程度(ある程度な!)説明していこうと思う。
そもそも日本でIRって?
まず簡単な流れから。
2016年、IR推進法成立
2018年、IR整備法成立
この2つによってIRを作る準備ができた。
とりあえず覚えておいて欲しいのはこれは「自民党が提出した法案」だということ。
当然自民党を中心に賛成多数で可決されて成立している。
その後、いくつかの都市が名乗りをあげ、その中で大阪維新の会がこの法案を元にIR誘致を進める。
そこで大阪の候補地となったのが大阪湾に埋め立てられた人工島、夢洲(ゆめしま)である。
大阪自民党がカジノ反対の矛盾
既にここで矛盾が発生する。
2023年4月の選挙で大阪府知事、市長選挙共に自民が推した候補は「カジノ反対を争点に闘った」のである。
ちなみに候補者は「カジノをSTOP」と言いながら何故か公約では「カジノは住民投票で決める」と書いていた。
なんぞそれ。
話を戻すと自民党が「日本にIRは必要だから作りましょう」と言ったことに対して大阪自民党はNOを突きつけたのである。
大阪自民の言い分としては「IRは必要だけど大阪ではない」とか「維新のプランに問題がある」みたいなことらしい。
ならどこならいいのか法案で示しといてくれよって思わない?
誘致には時間も金もかかるわけで、最初からダメなら言っといてくれないと。
しかも政府が出したIR法案の取りまとめには一丁目一番地として
「観光先進国」にふさわしい集客施設と収益⾯の原動⼒となるカジノ施設を法制度上⼀体化って書いてあるんだぜ?
どう見てもカジノのないIRを念頭に置いているとは思えないんだが。
私がこの態度に怒っているのには理由がある。
実は大阪都構想も同じ構図だったからだ。
大都市法は2011年に大阪の首長が都構想を掲げる維新になったことで国会にみんなの党・新党改革・自民党・公明党・民主党・国民新党の超党派で意見をまとめて「大都市地域特別区設置法案」を共同提出、おおまかに言うと共産党と社民党を除く全ての政党が賛成して成立したわけだ。
法律を作るにはその理由「立法事実」というものが必要で
分かりやすく言えば、自転車で転んで怪我をする人がいるという事実を元に道路交通法を改正してヘルメットを着用しましょうとなる。
大都市法の場合は「都市に住む人が多くなりすぎてきめ細やかな住民サービスができなくなっているよね」という事実を元に大都市法を制定したはず。
いくつかの区に再編して権限や予算を渡せば、区が区民のニーズに合わせてサービスできるよね。って
それなのに大阪自民党は「大阪市がなくなる」と猛反対。
都構想を掲げて当選して、それを理由にあんたら賛成どころか法案作ってできたのに何故反対するんじゃいと思わない?
自民「大阪都構想か、大都市法が必要だな」
維新「じゃあ都構想するね」
自民「反対!!!大阪市がなくなる!!」
自民「観光先進国を目指す為にIR法作らないとな」
維新「じゃあ夢洲にIR作るね」
自民「反対!!カジノはいらない!!」
IRも都構想も自民が必要(立法事実)だから作ったんだろ?
おかしくない??
夢洲という土地
夢洲は1970年にゴミの埋め立てなどで作られた土地
1980年代にテクノポート大阪計画が持ち上がったがバブル崩壊などで断念
2008年にオリンピックの開催地として大阪が立候補し、選手村に予定していたが招致失敗
で、維新政権になってから万博誘致に成功
サラッと経緯を並べるとこんな感じ。
つまり活用法が見いだせず、維持費ばかりかかって他の箱物と同じく大阪自民党が作り出した負の遺産として君臨してた。
それを万博誘致を取り付けて、IR計画出して負の遺産から脱却しようというのが今回の試み。
地盤沈下がヤバいって聞いたけど?
これについては確かに分からないこともある。
ただ、同じく地盤沈下している関西国際空港の経験とノウハウがあるので対策をしていること
その関空を今現在管理しているのが今回IRの出資者であるオリックスであることを考えると問題ないんじゃないかと思う。
だって金出して沈む建物作りたくないでしょ?
夢洲が沈む泥舟だと分かってたら金出さないじゃん。
造成費問題
造成費、土壌対策費として大阪市が790億円を負担
IR事業者に土地を貸して賃料を取るんだけど「賃料で回収するのに25年かかる、25年後にしか利益にならないしそのころIRなんかあるのか!」ってカジノ反対派は騒いでる。
そもそもこの790億を賃料だけでなんとかすると思う?
カジノの収益の一部が大阪に利益として入るし、そこに集まる人、海外や日本国中から大阪に来るわけで経済効果ってものがあるよね。
その上考え方を変えると、例えるならマンションを建てる前に入居者が決まっているようなもんで
造成したらIR建てて賃料払ってくれるって言うんだから普通に商売としては美味しいわな。
あとIR建設後、将来的に地盤沈下等のさらなる対策が必要でお金がかかる場合は事業者側で負担するように現在交渉中とのこと。
その他にも特別会計、大阪市の財布とは別に財布を作ってやりくりするとかいう話もあるからより安全なんだけど割愛。
まとめ
国政自民党が作ったIR整備法に則って計画したのに大阪自民が反対するのは矛盾してる。
夢洲は大阪自民党が作り上げて何度も利用方法を考えては失敗してきた負の遺産、そこにやっと維新が利用方法を見出した。
地盤沈下については素人目線では未知数な部分もあるが、経験とノウハウを持っている。
土地の造成費は賃料以外からも回収可能な上に、世界中から観光客がくることで経済効果として府民に還元される。
とりあえずこんなところ。
カジノ自体の問題については次章で。
本noteはわかり易さを主題にしているため、細かい経緯や数字等々についてはアバウトだったり、省略している部分があります。
調べたら簡単に出てくるような内容だけをチョイスして書いているので、興味が出たり疑問に思ったことは調べてみてください。