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道具と材料の話

木材

6月の展示では、今年の冬から春に故郷遠野の産直から仕入れた木材を多く使った。産直なので木材の値札にも加工者の名前が記名されている。恐縮だがお名前を出させていただくと、仕入れた木材加工者はすべて菊池光典さんという方で、おそらく木工職人の方と思われる。まな板より大きく長いものから、手のひらにおさまる小さな木口まで豊富な種類が販売されていた。

クリ・ヒノキ・トチ・クルミ・キハダ・ミズキ、さまざまな種類の落葉高木が木目にそってちょうどいい大きさとかたちに加工され安価で販売されている。いつか工房を訪ねてみたい。

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仕入れた木材たち それぞれ違ったいい香りがする


これまではホームセンターや町の木材屋で仕入れることが多かったが、それらの木材と比べると木の質の良さ/加工の丁寧さゆえに、使用するときはいつも以上に気をつかった。
流通しているキャンバスなどは規格サイズが決まっているが、今回はそれぞれの木材の個性が見えるような、ランダムなサイズと質量の材料を扱ってみる。制作も材料によって扱い方が変わっていくところ、変わらないところがわかる。どんな道具や材料にもその特性があり、かたち・材質・重さ・大きさを手にとって相性を確かめる。自分の皮膚や身体のサイズをたよりにしながら。道具や材料にはいつも学ぶところがある。




道具

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よく使う道具 
右から シリコンヘラ・プラスチックヘラ・刷毛(はけ)・平筆・丸筆・スキージー

1番よく使うのはヘラ類とスキージー
とくに小さいプラスチックヘラは手になじんで使いやすく気に入ってる。
ステンレス製のペインティングナイフもあるが、このヘラ1本でこと足りるほど、制作方法が定まってからはずっと使っている。

下地類を除けば、基本は木材・アクリルメディウム・ヘラの3つでつくる。

アクリルメディウムはとにかく乾くのが早いので、当然だが使い終わった道具はメディウムが固まらないうちにすぐ洗い流さなければいけない。とくに筆は特別なリムーバーなど使わない限り復旧がむずかしく、何度もだめにしている。筆のかみさまがいたら謝りたい。ごめんなさい。そのこともあって、固まってしまう筆よりも、固まってもペロリとはがせるヘラのほうが繰り返し使えて長持ちしている。道具は大切にしないといけない。


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