見出し画像

知っておきたいくすりの話|発達障害×アカシジア

今回は、薬を飲んだ後にソワソワしたり、むずむずする「アカシジア」を紹介します。

聞いたことがないという方もいると思いますが、どのような症状なのか、くわしく見ていきましょう。

アカシジアとは?

静座不能症と訳され、座ったままでじっとしていられず、そわそわと動き回るという特徴があります。

アカシジアの原因薬では抗精神病薬によるものが多いのですが、抗うつ薬や一部の医師から処方された胃腸薬などによっても引き起こされることがあります。

多くの場合には、服用を始めて数日後に出現しますが、数カ月間以上同じ薬を飲み続けた後に出現する場合もあります。

アカシジアの分類としては、お薬の開始・増量から

4週間以内(多くは数日以内)に発症する「急性アカシジア」
3か月以上たって発症する「遅発性アカシジア」
原因薬の中断により6週間以内に発症する「離脱性アカシジア」
があります。

  • 体や足がソワソワしたりイライラして、じっと座っていたり、横になっていたりできず、動きたくなる

  • じっとしておれず、歩きたくなる

  • 体や足を動かしたくなる

  • 足がむずむずする感じ

  • じっと立ってもおれず、足踏みしたくなる

治療法は?

落ち着きがなくなったり、興奮して歩き回ったりするアカシジアの症状を、抗精神病薬などの服用を必要とした元来の精神疾患による精神症状であると勘違いしてはいけません。

病気が悪化したと勘違いして、自分で勝手に服用中のお薬をたくさん飲んでしまうと、一般的にはさらにアカシジアが悪化します。

お薬の副作用によるアカシジアには、主に以下の対処法がとられます。

原因薬の減薬、変更
第一にとられる対処法です。原因となっているお薬の量を減らしたり、別のお薬に変更して様子を見ます。ほとんどの場合、こうした対処で改善がみられると言われています。

抗コリン薬やベンゾジアゼピン系薬剤の併用
原因薬の減量や変更が難しいときや症状が強いときは、アカシジアを和らげる別のお薬を内服や注射で投与します。アカシジアの症状が重篤な場合も、これらの対処法で速やかに症状を軽減することができると言われています。

まとめ
アカシジアは、適切な対処をとることで軽減できますが、発達障害の多動優位と区別がつきづらいかもしれません。そのため、服用している薬について、薬剤師や医師、インターネットで調べるなどしてみましょう。

参考資料:
厚生労働省(2010)『重篤副作用疾患別対応マニュアル アカシジア』

いいなと思ったら応援しよう!