HCUでの日々
夫が、ニ週間のICUから無事に戻ってきて、私は胸をなでおろしたのだが、
今度はナースステーションと直結の部屋に入れられた。
排液を捨てるため、看護師がものものしい恰好で入ってくる。
点滴の確認などを入れたら、
10〜15分おきに来る。だから夫は、看護師さんとなごやかにお話ししていたようだった。
夫は話も出来るようになってきたし、あまり私は心配していなかったが、あとで考えると重篤だったのだと思う。
この部屋も、夜になっても真っ暗になることはなかった。隣のナースステーションのナースコールなどの音もよく聞こえた。
夫はこの部屋に1ヶ月半入っていた。
ある時、主治医に呼ばれた。
「手術します。お腹を開けて、洗浄します」
簡単な説明を受けて、書類にサインした。
また手術するのかと思ったら、気が重たくなった。
夫も手術するのを嫌がっていた。
つづく