夫ひとときの幸せ

あの怖い病室から出て、廊下を挟んで斜め向こうの部屋に変わっただけなのに、

あれは何だったの?というくらい

とても平穏になった。(笑)


しかし、主治医は、夫が何度も呼吸が止まるので、気管を切開した方がいいんじゃないかと言ってきた。

「僕は耳鼻科が専門なので、切開なら任せておいてください」


おいおい、そんな軽い話じゃないだろ!


私は最初は何の話しをしているのか、よくわからなかったが、


気管切開をしたら、二度と働けない。

もちろん夫は、拒否した。

ただ、気管の切開はしなくて済んだが、胃瘻は作らされた。


2016年4月。ようやく退院となった。


そして、奇跡が起きた。


基準値いっぱいにかけた放射線と抗がん剤のお陰で

喉が痛くないと言う。

酸っぱいもの
辛いもの

何でもOKになり、夫はすごく喜んで食べていた。

いちごも食べられるようになり、毎日私も一緒に食べていたら、喉が痒くなるアレルギーになった。(笑)


2016年5月末。夫の家族と旅行に行った。夕食の御膳を平らげた。


こうして会社に通勤出来るようになった。


治療を頑張ったから、ひとときの幸せを感じることが出来た。


つづく


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