夫のICU体験記
退院してから、夫は「ICUは地獄のようだった」と言っていた。
人工呼吸器はものすごく苦しいし、
昼夜かまわず煌々と電気がついていて、眩しくて眠れない。
人工呼吸器のポンプ音だけでも、うるさいのに、
あちこちでモニターのアラーム音が鳴り響く。
首を固定されていたから、何にも見えなかったが、
隣のベッドでは、医師たちが何かの処置をしていたが、どうやら亡くなったみたいだった。
排泄もベッド用のオマルを渡されて、「はい、どうぞ!」と言われたのだが、
「そんなもん出来るか!」と怒っていた。
私が一番驚いたのは、人工呼吸器をつけたまま
そして、点滴やら排液やら
夫の体には、管が10本以上繋がっていたのに、
リハビリさせられていた。
夫はやる気がなさそうにやっていた。
私が唖然として見ていたら、主治医が飛んで来て、挨拶した。
そして、
「ご主人を太らせて欲しくなかった」と言った。
肺炎と腹膜炎を併発してしまったようだ。
糖尿病予備軍だったのに、コントロールされていたヘモグロビンA1Cの数値が上がって、
糖尿病になってしまったらしい。
それで、炎症が起きやすくなってしまったということなのか。
こうして夫は、2週間もICUから出られなかった。
つづく