あ、組織設計の都市計画職は応募のスタートラインにすら立てないのか。詰んだわ
「都市計画」という曖昧な概念に魅せられ、悩まされ、苦しめられている。土木なのか、建築なのか、はたまたどちらでもない文系のようなものなのか。いや、多分どれでもないし、言うなれば全ての集合体なのだろう。
4年の夏と修士1年の夏、土木開講では珍しい設計の授業があった。面白かった。土木の授業の中で数少ないアドレナリンが出た科目だった。外部講師の方が某組織設計事務所から来ていたので、なるほど、組織設計事務所ってこういうことをやるのだな、と。建築だけじゃないのだな、と思い夏のインターンに参加し、その縁で最近、そこの組織設計事務所でアルバイトを始めた。土木・建築と別に都市の分野があるのも新鮮だった。東大とおんなじだあ。
土木系の都市計画に強い違和感を持ってしまった僕は、都市計画系の仕事に就くなら建築系の方が面白いかなと思っている。しかし最近まで気づかないふりをしていたのだが、建築系の分野というのは就活で実績を求める。新卒なのに。ポートフォリオというものに、プロジェクトとかコンペとかの実績書いてね、なかったら研究成果でも良いよ、とのこと。
書けない。
書けないのだ。卒論くじ配属水理系研究室ゴミ論文学会発表なし、院で研究室変更も適応障害発症研究進捗遅く、解析系研究室の為プロジェクト・コンペ皆無の私には何も書かないのだ。
終わり。
大学院というのは「ケンキュウ」するところだから研究内容で選べば良いと思っていた。だからプロジェクトとかコンペとかやってるところのケンキュウはフワフワしていて掴みにくいし(まあ質的研究だからねえ)やりづらいだろうなあ、と。ケンキュウがどういうことなのか実感を伴っていなかったが、研究がメインで、なんかプロジェクトとかコンペとかスタジオ演習とかあっても付属品みたいなものだろ、としか思っていなかった。が建築系、都市系、土木でも一部の設計系の研究室はむしろそっちがメインらしい。なんだよ専門職大学院みたいだな。「研究」室という名前を返上しなさい。
そんなことを言っても仕方がない。解決策としては3つくらいあるだろう。
①とりあえず建設コンサルに勤めて転職を狙う(24卒)
建設コンサルは土木中心の会社なので、就職にポートフォリオなんてものはいらない。面接やESを頑張りさえすればどこかは通ると信じてる。実際なんだかんだ建築の雰囲気より土木の雰囲気に慣れてるしねえ。ただ最初から転職を狙うような仮面就職でうまくやっていける気はしないし、どうせ自分は転職なんて臆病で出来ない気はしますね。社会に出るタイミングとしては遠回りにならないけど、キャリアとしては遠回りですね、これ。
②留年か休学して実績積んでから組織設計狙う(25卒)
実績がないなら作れば良いのである。論文を仕上げるか、学外で何か都市計画的な活動を行えば良い。一年あれば論文は書けるね!
ただ自分で活動するのって結構難しいですね。ポートフォリオってまちづくり的な活動でも良いのかな、だったらフォトロゲの事書くけど。地方に滞在して何か活動すればそれでもおけ?だったら沖縄行きたい。
③都市系か建築系の大学院に入り直す(26卒)
建築学科にコンプを抱いてるなら入っちゃえばいいじゃないの。というやつである。ただ院試で設計課題とかあるので厳しいと思う。正直土木→建築系より建築→土木の方が楽だよね。あと建築物単体にはそこまで興味ない…、となるとやっぱり都市工だろうか?実際組織設計都市計画部門には都市工卒は多いように感じる。えーでも今年諦めたじゃん。うーん正直ここまで就職先変わってくると思ってなかった。東大の先生、「修士2年なんてどこ行っても一緒、入り直す価値はない。その先のキャリアの方が大事なんだからとっとと就活しなさい」って、うそつき!そもそも大学教員なんぞ普通に就活しなかった組なので参考にならんのだ。「研究室どこ行っても就職一緒」、京大の配属の時にも言われたけど、卒論配属で計画系に入れてくれていれば卒論は成果として出せたんだよっ!!
しかし院進時、実際都市計画系の研究室であれば無理して都市工行かなくても一緒だろー、と思ってた節はある。大学院カリキュラムやプロジェクト活動が良いからって高々2年のために1年卒業遅らすんですか?落ちるかもしれないのに?そもそも今適応障害で音楽すら聞けないのに勉強できないでしょ!って。
ただ40年変わるのかあ。うーん、「やりたいこと」って脳が勝手に反応して一喜一憂しているだけでよくわからないんですよね。今やってないことをないものねだりしているだけなのかもしれないし…
さて、どうしよう。目の前にある選択肢、土木系就職から選ぶのが一番楽だしスムーズである。しかしこれまでの人生の選択、所謂「合理的最適解」を選んできただけである。高校とかよく分からないから県内一番のところに行き、大学は東大無理だけど京大なら行けそうだから京大にして、スムーズだからみんなに合わせて内部院進して、移動時間最小化の為にみんなに合わせて桂に引っ越して…
このまま気になった業界のスタートラインにすら立てないレールにしがみついて幸せなんだろうか、そろそろ限界である。