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渡米約1年の雑記 (これまでの雑感と今感じる、自分のこれから)

2023年9月に渡米して約1年が経ちました。
ロサンゼルスの某研究施設で循環器疾患に関する医療AI研究を行っています。循環器疾患は、心血管画像が非常に多く(レントゲン・CT・MRI・心エコー・PET… +心電図)、医療AI分野との親和性は高い分野であります。
自分は主には心エコー検査を用いたAI研究をしていて、たまにレントゲンや心電図にもタッチしています。

つらつらとこれまで出来たことや出来なかったこと、自分の中で成長を感じたことや新たに生まれた価値観、渡米して1年ほど経つからこそ思うこれからのキャリア像について、(自分の思考の整理や将来に振り返るためも含めて)記載します。

日々の仕事

学会に出て留学セッションとか出たりすると

研究留学とは、いわば人生の長い夏休み

まじかよ、という気持ちです

なんて言われることもありますが、自分の所属するラボは、チームメンバーに、高い生産性とハードワーク・チームワークを求めている(公言している)こともあり、機械学習エンジニアやインフラエンジニアとしての知識が乏しい自分には、ハードな環境だなと日々痛感しています。

8:30-17:00 までオフィスで仕事をして、20-24:00にも家で自分のペースでゆっくり仕事をしています。年に何回かは、土日を潰してコードや論文を書き続けることもありました。

難しい画像処理とかモデル構築とか、データセット作成 &コミュニケーションエラー(語学のせいで)で 普通に日々の仕事はつらい っす。はい。

常に実験や論文に追われていて、新しいことを勉強する時間を全然取れていないことは、数ヶ月以内に改善しないといけないと実感しています。

業績面

本業の研究面では、これまでに2つの原著論文と1つの総説を執筆(すべて査読中)しました。最初の8ヶ月で2つの原著論文をsubmitできたことは自分が想像していたペースよりは、少しだけ遅いですが、どの研究も綿密・丁寧に複雑なパイプラインとなっていて、今振り返ってみても 「よくこれやったっすね」と思う一方で、これが自分の現在の実力だと痛感しています。

(個人的には、職場外でもう少し研究ネットワークを広げて、コラボ研究などはしたいのですがどうにもこうにも首が回らない)

Preprintですでに公表しており、両者は、欧州心臓病学会ESC (moderate poster) と 米国心臓病学会AHA (Oral)で発表予定です。

他には並行していくつかの留学助成金や米国での研究グラントに応募しています。

スキルセット面

下記のブログにもあるように、もともといわゆる医療データサイエンスの下地知識はありましたが、”かなり複雑な”医療AIの実装経験は乏しく(多分)、米国にやってきました。

On the job Trainingが一番の近道だよね とはわかってはいたものの、いざ飛び込んでみると、こういう知識がいるのか と膝を打つことも多かったですね。

自分が特に会得した知識やスキルセット面は、DICOMや心電図データの複雑な構造化データとそのハンドリング、機械学習プロジェクトの効率的な実験管理でしょうか。言語化することは難しいですが、医療画像データのAnomaly(データ自体のVariationが非常に多岐すぎる)に対しての耐性や、それに細かく対応した経験と費やした時間などは、今後この分野で研究を続けるのであればPricelessな経験だなとつくづく感じました。

ただOn the jo Trainingの裏を返せば、それ以外の知識の習得や成長(自分の分やでいうとLLMなど)には全く疎いのでそこは何かしら勉強を続けないといけないです。

医療AI研究において、医師サイドとエンジニアサイドの両面の知識と経験が必要で、そこの両方のBackgroundを持つ人間がチームにいるのといないのでは、研究のクオリティに大きく差が出る理由がよくわかった気がします。
(米国医療AI研究においては、Dual Backgroundが率いていることが多いように感じます。)

生活面

生活面は主に家族のこと・実際の生活(簡単に言うとお金)に分けられます。
毎週の土日はフリーなので、必ずどこかに出かけて楽しんでいて、

こんなにも、土日が美しいものとは思わなかった

出典:さはし

っす。シンプルにこれに尽きます。
金曜日(Thanks God Its Friday (TGIF):日本で言う華金!) になるとみんな16:00くらいには仕事終えてフゥゥゥゥーーーーみたいになるのがよくわかりました。

グリフィス天文台
ドジャースタジアム
休日にはサッカーのアマチュアリーグ戦にも参加


コパ・アメリカ2024


ちわっす

つまるところ、最高に楽しんでいます。

お金の面については、下記ブログでも書いていますが、文字のごとくザルのようにお金が飛んでいきます、はい。
実際のところ、資産的には、1年間で数百万円のマイナス(0-500のレンジとしておきましょう)で済んでいます(血の涙)が、これは本当にいろいろな方からのサポート(SUNRISE Lab / 日本心臓財団/ 他 )もあり、耐えられております… Grazieです。

これからのキャリア

何年間アメリカにいるんすか?みたいに聞かれるのですが、自分も知りません。契約とVISAは3年間であと2年間は普通にしてたら、まだいれると思います。Lab自体が、2020年に出来てまだ歴史の浅いLabなのでPostdocが卒業するというイベントが多分ないので、その辺も良くわかりません(笑)

まだやりたいことは多いので、まずは次の1年間で大きな仕事や別のスキルセットを習得できればなと。

せっかくの人生なので、思い切ったチャレンジと、一緒に働いている同僚と楽しく仕事できるところに身を置きたいとは考えています。出来ればこの医療AI分野がいいですが、ワクワク出来れば、全く異分野での挑戦も楽しそうだなって感じます。

(最近、これらの動画やこのニュースを見て、やっぱワクワクすることをやりたい(今は出来ています)と強く感じた次第どす)


ちゃんと所属していた大学医局に籍は残っているので、そこに帰ることも1つの選択肢ですが、その場合は、臨床業務からは離れた大学院生やポスドクを雇える、独立した研究室を持ちたいと考えています。

ブータンからでも構いませんので、Light Talkやオファー、いつでもお待ちしています。TwitterでDMいただければ幸いです。


ではまたいつか



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