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姫路・夢前川(ゆめさきがわ)の近くで開催した赤穂ギャベの展示会。
数年に一度ぐらいか...、姫路城や姫路市立美術館に行くことが稀にあって、姫路は静かで住みやすそうな街という印象がある。姫路市自体は長方形なのでまだまだ知らない地域が多いんだけれど、海沿いの西隣はたつの市で、もう少し進むと赤穂市があって、いわゆる播磨(播州)としてひとつの文化圏なのだろうかと思っている。
そんな姫路で開催する展示会の搬入・設営のために姫路駅(北口)から神姫バスに乗って籾取(もみどり)というバス停で降りる。籾取のバス停を降りると目の前に堤防があるので、少し時間もあったので覗きに行ってみたのが冒頭写真。籾取という地名から田園が広がる農村があって、夢前川(ゆめさきがわ)や、対岸にも姫路方面にも低山があって穏やかな空気感を作っているんじゃないかっと妄想が膨らむ。
飛行機雲と名付けられた場
搬入・設営を終えて、その日はギャラリー/古民家内で一晩過ごすことになってオーナーである森真一さんとお酒を酌み交わしながらお話を伺うと、このギャラリーは森さんの生家だということだった。ギャラリーの名称になっている「コントレイル(飛行機雲)」も、森さんの前職がパイロットだったからだ。森さんの先祖はこの地域で庄屋さんをされていたようで、蔵にはその歴史を伝える物品が残っていたり、広大な敷地も含めて、築150年の古民家を改装したギャラリーという表面的な言葉以上に、血の通った実のある場であると感じていた。
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門をくぐると芝生が広がるモダンなお庭。
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建物正面。虫籠窓も今の生活に合うように機能している。
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メインギャラリーでは、赤穂ギャベの文脈から外すことができない赤穂緞通(お手入れされた古緞通)が堂々としている。天井から吊るされたのは珍しいサイズ(一畳半の長さ)の白鷺、壁面は亀甲利剣、そして床の白地花紋。
その周辺に「赤穂ギャベと追憶の椅子たち」と銘打って、アンティークの様々な椅子に合わした赤穂ギャベ(椅子敷き)を展示している。
赤穂ギャベの新たな展開(ちょっとご紹介)
今回、赤穂緞通の特徴にある鋏入れ(摘み工程)をふんだんに盛り込んだ椅子敷きを新たにラインナップしている。今後の展開としてもワクワクしているところです♪
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桐唐草:赤穂緞通の「桐唐草」文様を落とし込んだ丸い赤穂ギャベ。鋏入れ入っています。(現品無し受注生産)
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水玉:青いシェルチェアのために作った丸い赤穂ギャベ。鋏入れ入っています。(現品あり販売可)
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虺竜(きりゅう):赤穂緞通の比較的古い時代には、結界の役割のように縁に龍文を用いた図案が多く見られる。その龍文から二匹の竜を抜き出し椅子敷きとして落とし込んだ赤穂ギャベ。鋏入れ入っています。(現品無し受注生産)
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残糸(ぞうし):制作で生じた余り糸を使った赤穂ギャベ。その制作工程から再現性はほぼ無いが配色はモダンになることが多く、将来的に大事にして行きたい試みの一つ。(現品無し受注生産)
展示会詳細
開催日時:
2021年4月23日(金)~ 28日(水)
各日10時 ~ 17時 会期中無休
会場:
CONTRAIL GALLERY(コントレイル ギャラリー)
兵庫県姫路市広畑区蒲田476