<編集後記> 恭仁宮(くにきゅう)の遺構(ル・プチメック コラム)
ル・プチメックさんのコラムが終了してリンクが切れたので加筆してます。
…今月も無事投稿できたコラム掲載。言い訳のような感じで編集後記を綴ってみる。
冒頭写真は恭仁宮大極殿跡の礎石で、石の東と南方向が凸面として加工されていることや残された位置から大極殿の北西角にあったものと推測される。恭仁宮は数年間のみの間借り遷都みたいなものだったが、その跡地に山城国分寺が立てられたとのこと、奈良時代(710年から794年)の後期の話。
僕は宇治市で生まれ育って、父親が近くの城陽市で働いていたり、木津川市の隣にある相楽郡精華町に親戚が住んでいる。そんなことから近所の里山というイメージの方が強かったけれど、今回は木津川市観光協会によるアテンドということで、いつもは素通りであった木津川市内を転々回った。(感謝です!)
・けいはんな記念公園/相楽木綿伝承館
・木津川寿司 松花堂弁当(山城たけのこ料理付き)
・山城郷土資料館/恭仁宮跡
・福寿園CHA遊学パーク
けいはんな記念公園/相楽木綿伝承館
京都と大阪と奈良の間にぽっかり空いていた里山に大きな企業や研究機関が誘致されて発展していく計画があって、バブル崩壊と共に鈍化した区画であったと勝手にイメージしていた。
ちょうど2年ほど前、その区画にある「けいはんな学研都市記念公園」で行われた「ポケットマルシェ」というイベントに訪れたこともあって、実際にはゴーストタウンということもなく、アクセスの良さから新興のベットタウンとして発展しているようで、多くの企業も転入しており、学研都市として機能は継続されている。
今回は、公園内にある相楽木綿伝承館と日本庭園を訪問することになって、日本庭園をガイドされた方のお話から「この公園がオープンした当時のコンセプト(言い換えると負の遺産)を如何に現在の環境で使えるものにしていくのか」というような解釈を受け取ることができた。人の手による負担が少ない里山が、国策として大規模に開発されていくことで、日本の森が無くなっていくそんな狭間にある緑地(公園)の維持ということなんだろう。
公園内の建物には相楽木綿伝承館(さがなかもめん)が併設されている。この京都府南部は京都府相楽郡(そうらくぐん)と言われており、相楽をサガナカと呼ぶこともあって、この地域で伝承されている織物が相楽木綿ということらしい。隣接する奈良の特産品である「奈良晒」の生産地でもあったようで、この里山に住む人にとっては普段使いの織物とされていた。「絣」が特徴の織物で、伝承館では一連の制作工程の見学から、機織り体験、糸紡ぎ教室なども行われている。
木津川寿司 松花堂弁当(山城たけのこ料理付き)
普段、和食と分類される料理を外食する機会はほとんど無いんだけれど、年齢を重ねていくと、海の幸、山の幸、など旬で季節感を大切にする料理に至福を感じてしまう。
京都府南部のこの辺りの地域は筍の産地でもあると聞いた。京都市内で住んでいると筍といえば乙訓(おとくに)というイメージだけれど、宇治市に住んでいた時に食べていたのはこの辺り(山城地域)の筍だったかもと思う♪
山城郷土資料館/恭仁宮跡
木津川市(旧 京都府相楽郡の木津町、山城町、加茂町)の郷土をまとめた資料館では、その後に向かう「恭仁宮跡」の予習として学芸員の方にレクチャーをしていただいた。恭仁宮の出土品と当時の文献をつなぎ合わせて検証されている様子が垣間見えてくる。千年以上の時代を経て伝承される史実にロマンを感じるのはこういう状況だったりする。
少し前に観たTV番組(歴史秘話ヒストリア)で「最古の銅鐸の音色」という特集があって、棒から銅鐸を吊るす際の紐の掛け方が検証されていたんだけれど、最近の考察なのか資料館にあった銅鐸の展示方法と異なっている。そういう積み重ねで史実が少しずつ明らかになっていくのだ!
恭仁宮跡の詳細はコラム参照
福寿園CHA遊学パーク
福寿園CHA遊学パークでは、ポータブルサイズの石臼で茶葉から抹茶を挽いて、茶菓子と共に自分が挽いた抹茶をいただくことができる。挽いたばかりの抹茶は香りが良いのはミルで挽く珈琲と同じだろう。
サントリーの「伊右衛門」で全国区になった福寿園では、茶をCHAと捉え、Culture(文化)・Health(健康)・Amenity(快適)というコンセプトがあるようで、この施設には、福寿園の歴史だけでなく、日本のお茶にまつわる歴史や、世界の喫茶文化の資料をそろえた展示スペースがあって、福寿園の方にレクチャーしていただいた。
ちなみに、宇治川の塔の島付近にも福寿園の施設があって、隣接する朝日焼の工房が主催する茶会に行ったことがあったけれど、今回は本格的な Tea Ceremony はしなかったけれど、まぁ人数と時間の兼ね合いですね。
僕の祖父は宇治市でお茶の小売店を営んでいた。叔父がその仕事を継いでいて、子供のころに遊びに行くと茶葉の香りに包まれながら、茶箱から茶葉を袋に詰めて、その袋を足踏みの機械を使って熱圧着で封していたことを思い出したところ。懐かしい想い出ー♪
ル・プチメックとは、1998年に創業された京都でも指折りのパン屋さんなんだけれど、京都に限らず全国にそのファンを持つとてもユニークなパン屋さんだと思ってる。店舗は東京にもあるし、レフェクトワールという名前でレストラン業態も運営されている。