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化け猫 - 架空生物目録

基本情報

名称: 化け猫、化猫(同一視:猫又、猫股)
分類: 食肉目ネコ科ネコ属
分布環境: -(日本が有名)
体長: -
体重: -

概要

長い年月を経てイエネコの意識が肉体から独立し、高度な知的精神体となったもの。現代の生物学の範疇にない。

自らの肉体の形態や存在を意のままにできるため、「化ける」と呼ばれる行為が可能になる。

生態

肉体がなければ、痛みなど肉体に起因する問題がすべてなくなる。しかし、彼らの多くはわざと肉体をもって生活している。理由はいくつかある。

  • 何も知覚できないことの不快感

  • ただ存在しているだけという状態への抵抗感

  • 現実世界に対する好奇心

  • 楽しく生きたいという欲望

そもそも、何も知覚せず、ただ意識だけが存在している状態では、精神が長くもたないだろう。

晩年を除いて彼らは専ら生きることをとことん楽しむ。狩りを楽しみ、よく食べ、人間を観察し、いたずらする。

肉体がないため食事を必要としないが、それでも彼らの多くは食事をとる。それは娯楽であると同時に、彼らの精神を安定させる手段の一つでもある。ネコ科の動物を狩ることは避けるが、それ以外のあらゆる生物をとらえる。

食事としてはもちろん、かかわる相手としてもネコ科を避ける。一説によれば、ネコ科の生物は化け猫を見分けられるという。

晩年は肉体をもつ時間が少なくなり、そのまま静かに消滅するのが多くの化け猫の最期である。

そもそも、彼らは老衰や病気、怪我によって死ぬことはなく、その死因の多くは長い年月を経て死への洞察が深まること、生存欲求が衰えることに起因する。その場合、自ら消滅しようとして消滅する場合と、自然に霧散する場合がある。

また、解離性同一性障害や鬱などに罹った化け猫の例が数件報告されており、これらの個体は特に短命である。

形態

化ける能力のため、形態を述べることには意味はない。

そして、多くの化け猫の普段の形態は変化する前のイエネコの姿だ。そのため、特にイエネコと変わった点はない。

唯一、すべての健常な化け猫個体は赤い目を持つ。

人間に恐怖を与えるいたずら目的で、尾を割るよう化けたものが猫又と呼ばれたが、同一の存在。

能力

人間に比肩する知能:
化け猫の知能は人間と同程度のものが多く、それ以上のこともある。ただ、彼らはその頭脳を、専らいたずらや遊びに活用する。

化ける:
自らの肉体を分子レベルで操作できる。化けられる対象は物質で構成されたあらゆるものだが、あまりにも規模が大きいものは難しい。既存生物、さらにその特定個体、彼らのイメージの中の生物(例:猫又)、あらゆる無生物。

感覚器官への干渉:
肉体を変化させ霧状の物質をつくりだし、その中にはいったものの感覚器官と精神に干渉する。霧の中に入ると、感覚を奪われ、方向感覚を失う。
化け猫の赤い目を見た者に、恐怖と死の予兆を与え、相手の精神を不安定にすることができる。

影の拡張:
周囲の影を操り、それらに物理的な作用をもたらす。それによって、対象を影に入れ、拘束することなどができる。物体を固定する、斬る、はね飛ばす、殴る、持ち上げるなど多様な効果をもたらす。

文化・伝承

古今を通じてネコは世界中で飼われており、従って化け猫も世界中で発生してきた。しかし、神話や伝承にはほとんど登場せず、都市伝説やUMAのような存在として語られることが多い。それは彼らが、自分からいたずらをするのを好み、人間の方から崇められるような状況を嫌ったからだといわれている。

唯一、日本の化け猫は多くが人間との相互の関わりを好む。古くから日本人が化け猫の存在に気づいていたこと、人と化け猫がコミュニケーションをとった例が日本に集中していることなどがそれを示す証拠であるといわれる。

海外では化け猫として認知されることは少なく、ポルターガイストとして処理されたり、ネッシー(ネッシーは化け猫のいたずらであるとされる)などのようにUMA、都市伝説として処理されることが多い。

その他

人間の意識は脳に依存し、脳がなくなったり壊れたりすると、意識もなくなったり異常をきたしたりする。

しかし、化け猫の意識は肉体から独立しており、そこが他のシェイプシフターと異なる点だ。それにより、自らへの悪影響を一切気にせず自由に化けることができ、これが化け猫が最も高度なシェイプシフターといわれる所以である。

その高い能力をもってすれば全ての生物と交配可能である。ただ、多くの化け猫は一定の倫理観をもつためそれはしない。

多くの化け猫はイエネコと交配する。化け猫同士は避けることが多いが、イエネコは化け猫の気配を感じると近づく習性があるためだ。その子どもはたいてい普通のイエネコである。なぜなら、化け猫の能力や特徴は遺伝子によるものではないからだ。

稀に化け猫同士が交配すると、化け猫が生まれることがある一方で、何らかの異常をきたした子どもが生まれることも多い。その場合、異常とは先天的な精神疾患や気分障害である。


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